事業所の感染対策を評価し 厚労省老健局「利用者の負担増はやむを得ない」
【県】 「これは政府・厚生労働省による介護報酬架空請求の勧めだ」と自民党の生田邦夫県議は憤る。それは厚生労働省が1日、各都道府県や各市町へ行った通達(第12報)だった。
お年寄りら要介護者が他人と交流しながら過ごすデイサービスなどの「通所系サービス事業所」と、ショートステイなどの「短期入所系サービス事業所」については、事業所が利用者やその家族から事前に同意を取り付ければ、事業所による介護報酬の加算(水増し)請求を認める内容だ。期間は未定である。
例えば、利用者が1日「6~7時間」の介護サービスを1か月間で12回受けたとすれば、今回の通達では月利用回数を3で割った数の回数(12回÷3)=4回分については、事業者が1日2時間(2区分)引き上げた1日「8~9時間」のサービスを提供したことにして介護報酬(表の※印参照)を加算請求できるとした。上限は4回まで。
これで算定すると、月額報酬額の水増し差額は4720円(1単位約10円)にのぼり、このうち利用者の自己負担割合が1割なら、利用者は472円を余分に事業所に支払うことになる。
7月2日開催の6月県議会で、生田県議はこの問題を一般質問する予定だが、「介護報酬の加算で事業所を支援するやり方は、利用者負担の増加と介護保険財政への圧迫を招く」と語る。
介護保険を運営する市町のある首長は「国が事業所を支援しようとするなら、一般財源から支出して介護保険財政に組み入れ、臨時的に介護報酬を引き上げるとともに、この分が利用者負担にならないよう制度設計すべき」と指摘する。
これらの指摘に対し、厚労省老健局振興課担当者は「デイサービス施設などは、どうしても3密になりやすい中で、感染症対策を徹底して利用者の安全に努めていることを評価して介護報酬を臨時的に加算することを可能にした。介護報酬の加算に伴う利用者の負担増加はやむを得ない」と反論している。
各事業所は今月末に6月分の介護報酬の加算請求書類をまとめ来月10日までに、県国民健康保険連合会に介護給付明細書を提出し、それを国保連が審査。市町も最終チェックして、8月末までに6月分が事業所に支払われる予定だが、一部利用者からの反発も予想される。(石川政実)







