運動と栄養、社会貢献を体系的に網羅 健康寿命延ばし自分・地域・社会「三方よし」
◇栗東
人生百歳時代に向けて、地域の担い手として元気に活動したい――。そんなポジティブなシニア世代に学び直しの場を提供するのが、栗東市の「100歳大学」だ。健康や社会参加について体系的に学び、実践することで、心身ともに充実した第二の人生を送ろうと、国松善次元滋賀県知事が提唱した。【高山周治】
「1、2、3、4、5、6、7、8…」。「100歳大学」健康づくり編の実技。同大学二期の受講生二十人(男性五人、女性十五人)がかけ声を出しながら、高知市で考案された筋力運動を体験していた。
「週一~二回の目安で、ゆっくりした動作を繰り返すことで効果が出ます。やや疲れる程度が、筋力アップの目安」と、同市長寿福祉課の担当職員はアドバイスする。
同大学は、市が一般社団法人「健康・福祉総研」(大津市)に委託し、市内六十五歳、六十六歳の新規高齢者を対象に、週一回・全四十回の講義、演習、実技が、一年かけて市内公共施設で開講される。
特色としては、現役を長くつづけるための健康づくり(運動、栄養)のほか、新たな活躍・社会貢献に向けた生きがいづくり(就労、起業、社会貢献)も体系的に網羅したカリキュラムであること。
例えば、生きがいづくりの分野では農業と福祉をテーマに、県立高校教員を定年退職後、ばんば楽楽ファーム(長浜市)を設立した福永善吾代表が二十日に講演した。農業を通じた全身運動、子どもの情操教育、低糖質農産物の栽培などのアグリビジネスを紹介し、「農業を福祉の手段として活用することで、農業の大規模化に伴って失われたものを取り戻したい」と語った。
健康・福祉総研の宮川俊夫理事は「超高齢化時代においてリタイヤ後の第二の人生は長い。そんな中で世話をされる側でなく、自らが地域の担い手となる高齢者が増えれば、結果的に健康寿命を延ばし、医療費の抑制につながる」と、自分よし・地域よし・社会よしの「三方よし」を説く。
県によると、県内の平均寿命(平成二十二年・厚労省調べ)は、医療技術の進歩に伴い、男性八十・五八歳、女性八十六・六九歳まで延びた。一方、健康上問題なく自立した生活を送れる「健康寿命」(同)は、男性七十・六七歳、女性七十二・三七歳と、平均寿命との間で大きな差(約十年~十四年)が生じている。このため健康寿命と平均寿命の差を小さくすることが、超高齢社会を乗り超える課題となっている。







