大津地裁、高浜原発運転差し止め
◇大津
関西電力の高浜原子力発電所(福井県高浜町)の三号機、四号機について、大津地方裁判所は九日、同社に対して運転の差し止めを命じる仮処分を決定した。運転中の原発の停止を命じる仮処分は初めて。
住民「フクシマの経験貫かれた」
これは、県内の住民二十九人が去年一月、安全性が確保されておらず、重大な事故が起きる危険性があるとして、運転停止を求める仮処分を申し立てていたもの。
大津地裁は、再稼働への危惧または疑問点として、▽福島第一原発事故を踏まえた事故対策▽緊急時の対応方法▽津波対策と避難計画への疑問▽住民説明が不十分―を列挙した。
高浜原発は、三号機が今年一月に再稼働し、四号機は先月に再稼働したが、トラブルが発生して停止している。関電は決定を受け、再稼働させた三号機について十日から停止作業に入った。また、同社は、今回の決定の取り消しを求めて異議を申し立てるとしている。
原告団は同日夜、大津市内で報告集会を開き、住民代表の辻義則氏は支援者を前に「大津地裁の決定に感謝の思い。明確に福島第一原発事故の経験が貫かれていた」と喜んだ。
この後の会見で井戸謙一弁護団長は、今回の決定について、これまでの「原告に原発の危険性の立証責任を押し付けた」裁判と異なり、「福島第一原発事故の経験を踏まえてどう対応するのか関電に立証を求めた」と評価し、全国の訴訟に影響するとみた。
また、原発事故が発生すれば、その被害は広範囲に及ぶ。「福島の経験を踏まえれば、少なくとも原発から百キロの住民が差し止めを求めるのは説明するまでもない」と周辺県の声が受け入れられた意義を語った。
三日月大造知事のコメント「原子力発電所の安全性確保に重きを置いた決定と受け止めている。原子力発電所の稼働・非稼働にかかわらず、国および原子力事業者は、国民に不安感が残る現状を受け止め、万全な安全対策を講ずるとともに、地域になお残る懸念に対して誠意と責任を持って対応されることを引き続き求めていく」。
(高山周治)







