「実質不信任」の指摘も
任期満了に伴う大津市長選は十七日投開票され、現職の越直美氏(40)が、前県議の蔦田恵子氏(54)、テレビプロデューサーの川本勇氏(56)、共産党副委員長の川内卓氏(60)=共産推薦=の三新人を破り再選した。そこで記者座談会を開き、総括してみた。【石川政実、高山周治】
―蔦田氏が八千五百票差で越氏に敗れた要因は。
A 上野賢一郎自民党県連会長は、蔦田陣営が政党推薦を受けない方針だったことで自民や公明支持層の動きが鈍くなった点を挙げていた。
B 蔦田氏擁立に伴うリアクションも大きかった。アヤハグループ総帥の河本英典元参院議員らが中心になって自民党色のない蔦田氏を擁立したが、みんなの党(当時)から出馬した同氏に対し、自民党会派の湖誠会では「なんで自民の佐藤健司県議ではいけないのか」「蔦田氏では女性票がとれない」といった声が出て、会派内がまとまらず、自主投票に。越氏に走る市議や個人演説会に顔を出さない県議もいた。
―自民の大岡敏孝衆院議員(1区支部長)も一回も蔦田氏の応援に来なかったね。
C 新幹線問題で河本氏と意見が対立したり、蔦田氏擁立は河本氏と二之湯武史参院議員らで決め大岡衆院議員はカヤの外だったことによる確執との憶測も。大岡氏は、財務省政務官で帰れなかったと弁明しているが。
―越氏の人気もあるね。
A 保育所の待機児童ゼロの達成や、ごみ焼却場の見直しによる経費節減などの実績を訴えたことが好感された。しかし連合滋賀は越氏支援に動いたのに、傘下の自治労大津市職員組合や教職員組合、関西電力などが反旗を翻したことは参院選に影響してくるよ。
B 越氏の勝利の功労者の一人は、まぎれもなく嘉田由紀子・びわこ成蹊スポーツ大学長(前知事)だ。また昨年十二月にごみ処理関連施設がある伊香立学区などに迷惑料が支払われているのは違法として市民が住民監査請求を起こしたが、同施設のある自治会などは越氏に回ったと見られており、同氏はしたたかだ。
―市民派の川本氏は風を吹かせなかったね。
A 川本氏が期待していた自治労大津市職員組合と教職員組合が、越、蔦田両陣営から徹底的な切り崩しにあった。自治労には蔦田陣営が十、十一日実施の世論調査をみせ、「川本氏では勝てない。越氏と蔦田氏が競り合っており、蔦田氏を応援してほしい」と訴えた。自治労の一部が蔦田氏に回ったとの見方もある。組織がない分、善戦だった。川内氏は、出遅れが響いた。
B 今後、越氏が最も頼りにする湖誠会幹事長の竹内照夫市議を副市長に据えるとの噂の行方も注目だ。
C 評論家の八幡和郎氏は、大津市長選挙で現職の越市長が再選したが、嘉田氏が二期目の選挙でWスコアーで上野氏に勝ったように、もっとも強いと言われる二選目の現職がこの程度の票差では「実質不信任」だと指摘している。事実、反越の蔦田氏と川本氏の票を集めれば一万票、川内氏を入れると約二万票、越氏を上回る。再選で過信して、「独善的」にならないことを願うばかりだ。







