湖南市の市民グループ
地球の温暖化対策で全ての国が温室効果ガス(主に二酸化炭素)削減に取り組む初の国際的なルールであるパリ協定が昨年十二月締結されたが、湖南市でも二酸化炭素を排出する化石燃料からの脱却をめざし、子どもから大人まで参加できる再生可能エネルギー発電計画が進められている。市民でつくる「こなんイモ・夢づくり協議会」(会員百人)が取り組むのは、サツマイモを発酵させ、発生したメタンガスを発電に利用するバイオマス発電の一種である「イモ発電」。大量生産や設備投資などの課題はあるが、エネルギーの地産地消へ夢が膨らむ。(高山周治)
障がい者や子どもも参加可能
実用化めざし5年計画
湖南市では太陽光発電の市民共同発電所の設置や、自然再生可能エネルギーを地域経済の活性化につなげる地域自然エネルギー条例の制定など、自然再生可能エネルギー拡大への取り組みが進められている。
イモ発電が同市で注目されたきっかけは、イモ発電の実用化を研究する近畿大学生物理工学部の鈴木高広教授の講演だった。イモ発電のメリットは、原料となるサツマイモを大量栽培する過程で二酸化炭素を吸収するだけでなく、栽培などに障がい者や子どもでも参加できる点だ。
これに関心をもった市民は昨春、「こなんイモ・夢づくり協議会」を設立し、五か年計画で実用化をめざす取り組みをはじめた。
一年目の昨年は、協議会が借り上げた耕作地のほか、小学校、作業所など市内三十か所でサツマイモを栽培した。鈴木教授の協力を得て、限られた耕作地で収穫量を増やす「空中栽培法」に取り組み、イモ苗を三段の棚につるして育てた。この方法だと、三百三十平方メートルの耕作地からの収穫量で、一世帯あたりの年間消費電力をまかなえるという。
収穫は昨年十月に行われたが、水やりの量が少なかったことや、収穫の時期が早かったことから、収穫量は目標の半分程度にとどまった。サツマイモの食べられる部分は、スイーツなど特産品づくりに使い、発電には葉やつるを回す。
市立下田小学校など三校では、児童にイモ発電に関心をもってもらおうと、サツマイモの葉とつるをペットボトルに入れて約一週間発酵させ、メタンガスを採取する実験を行った。取り組みはまだ始まったばかりだが、将来的には電源を市内の福祉施設の給湯などに役立てたいとしている。








