県の湖南中部浄化センターも超高度処理しない汚水を放流
◇全県
一部既報の通り、台風18号の影響で、県の湖南中部浄化センター(草津市)などの下水道処理施設に処理能力を超える大量の雨水が流れ込み、十五日夜から十七日朝にかけて超高度処理をしていない汚水を大量に琵琶湖へ簡易放水していたことが本紙取材で分かった。さらに雨水と汚水を一緒に処理する“合流方式”の大津市公共下水道の水再生センター(同市由美浜)では、高度処理ができずにバイパスなどへ流して消毒だけした汚水を大量に放水していた。県と市は琵琶湖の水を飲料水に使っている下流府県に、この事実を知らせておらず、モラル・ハザード(倫理観欠如)も問題になりそうだ。【石川政実】
台風18号の豪雨により、十五日夜、湖南中部浄化センター付近のマンホールなどから汚水が噴き出した。
県の流域下水道施設は、雨水と汚水が混じらない“分流方式”が大きなセールスポイントだった。ところが今回の台風18号によって、なぜか湖南中部浄化センターなどに大量の雨水が流れ込んだのだ。
県の流域下水道施設は、琵琶湖総合開発の一環として、下流の京都や大阪などにきれいな水を供給するため、窒素、リン、CODを大幅に削減する超高度処理(一次処理→二次処理→急速ろ過→放流)をしている。ところが処理能力を超える大量の雨水が流れてきたため、県では「十五日夜から十七日朝にかけて、超高度処理ができない汚水を一次処理だけで簡易放水した」としている。
ちなみに県の流域下水道処理施設は、湖南中部、湖西(大津市)、東北部(彦根市)、高島(高島市)の四浄化センター。
県の調べ(十九日現在)によれば、湖南中部浄化センターが十五日午後九時三十分~十七日午前八時、高島同が十六日午前五時二十七分~十七日午前三時四十分、東北部同が十六日午前七時二十五分~午後十時、湖西同が十五日午後七時四十五分~十六日午後五時まで、簡易放水を余儀なくされた。
県下水道課では「超高度処理をしていない汚水が琵琶湖にどのくらい流れたかは、あまりにも大量だっただけに分からない。水質状況については、一次処理のみの汚水放流水は、十七日ではCOD(化学的酸素要求量)が一一・一ミリグラム/リットル(昨年度の超高度処理平均値五・○同)、SS(浮遊物質量)が一八同(同検知せず)、総窒素が四・二同(四・八同)、総リンが○・三六同(○・○六同)と水質汚濁防止法の範囲内。これまでも毎年、年間十回から二十回は簡易放水をしてきた。今年では、九月二日に湖西浄化センターで簡易放流を行っており、今回で二回目。四浄化センターの処理水放水量は、年間で琵琶湖全体の約〇・五%程度。今回はわずか二日の放水であり、問題はない。これまで簡易放流をした場合でも、下流府県に連絡はしてこなかった」と弁明していた。
もっと深刻なのは、雨水と汚水を一緒に処理している大津市公共下水道の水再生センターだ。
大津市の水再生センターでは「当センターの処理能力(一日最大八万八千四百トン)を超える雨水や汚水が大量に流れ込んだため、通常の高度処理をしないで、バイパスを通して一応消毒のみをした汚水を、十五日に約二万三千トン、十六日に約八万トン、十七日に約七千トン放水した。当センター近くの近江大橋付近から、膳所と新瀬田上水場が水道用水として取水しているが、問題はない。来年三月完成をメドに合流方式改善工事をしており、今回のような問題も解消されるだろう。下流府県にはこれまでから知らせていない」と話している。








