9月県会に上程される「流域治水条例案」(上)
◇全県
浸水被害から県民の生命や財産を守る県の「流域治水条例案」が、十八日開会の九月県議会に上程される。条例案に対して、県内の各市町長は、「命を守る」という考えに賛同しつつも、「むしろ河川整備を急ぐべき」「県単独で避難所を設置すべき」といった批判が根強い。条例案を巡る、県議会各会派の対応を探った。 【石川政実、高山周治】
条例案は、二百年に一度の確率で発生する大雨で、三メートル以上の浸水が見込まれる区域を「浸水危険区域」に指定し、区域内で建物を増改築、新築する場合、宅地のかさ上げか、避難場所の確保を義務付け、違反した場合は二十万円以下の罰則を科す。
想定区域の家屋は約千七十戸で、このうち約八百戸が、「天井川」である姉川と高時川の合流地点に位置する長浜市の旧虎姫町に集中する。県は、同地域の対策について避難所の設置を想定し、先月下旬に現地調査を行い、新たな施設が必要かどうかを検討している。
このような状況を受け、県議会の最大会派・自民党議員団の政務調査会(会長・佐野高典県議)は四日、同市からの要望聞き取りと現地視察を行った。
藤井勇治市長は要望として、<1>河川整備計画の早急な策定と抜本的な河川改修<2>建築規制よりも避難場所や避難誘導の仕組みに主眼-など三点を挙げ、「県の河川整備が全く進まない結果、八百戸もの危険地域ができた。治水の責任を果たさないで、流域治水条例で建築規制し、聞かなければ処分するというのは本末転倒だ」と、県への憤りを隠さなかった。
これを受け、視察した自民県議団で県連政調会長の佐野高典県議は「既存住宅があるなかで、行政が河川改修などなすべきことをせずに流域治水条例で規制していくのは、地元住民に過分な負担を強いるものだ。この十八日に長浜市の現地を自民県議団が視察し、地元の声を聞くつもりだ。自民党としては、代替案を今議会に提出し、成り行き次第では継続審議になるかもしれない」と、批判的な姿勢だ。
このほか、公明県議団代表の梅村正県議は「規制をする以上、私権や財産権に関わってくる問題だけに、県は危険区域対象の地元に行って、十分に説明するのが筋だ。中小河川を含めて河川整備をキチンとすべき」と、治水責任の転嫁を疑問視した。
みんなの党滋賀代表の蔦田恵子県議は「正直、迷っている。知事は、条例が成立してから、地元の協議に入ると言うが、かさ上げにしろ、避難所の設置にしろ負担割合もまだ決まっていないなど無責任だ」とする。
一方、嘉田知事を支える対話の会代表の清水鉄次県議は「全国的にゲリラ豪雨、洪水がいつ起こるか分からない中、県民に浸水の危険性を知らせるべき。建築の規制や罰則については議論が必要だが、概ね賛成」と支持する。
また、民主・県民ネットの副代表、西川勝彦県議は「賛成する一方、慎重な意見もあるので、今後議論して答えを出す。個人的には、元々議会は基本方針に賛成しており、今回の条例案はそれを具現化するためのものなので、賛成するのが筋だと思う」と評価した。







