放射性セシウム 琵琶湖汚染、飲料水基準の2~2.7倍
◇全県
県は五日、県地域防災計画見直し検討会議で、琵琶湖環境科学研究センターが行った「大気シミュレーションモデル」による放射性セシウムの沈着量の分布予測と、琵琶湖に流入した窒素、リンの湖内での循環を予測する「琵琶湖流域水物質循環モデル」を使った琵琶湖での放射性セシウムとヨウ素の汚染を予測する二つの分析手法を公表し、承認を得た。
県では、十一月の検討会議までに詳細なシミュレーション結果を公表し、地域防災計画の見直しに反映していく。
同研究センターは平成二十三年十一月、関西電力美浜原発(福井県美浜町)で福島第一原発事故と同規模の事故を想定し、「大気シミュレーションモデル」で放射性物質のヨウ素とキセノンの拡散予測を公表した。
今回も予測精度を改良した同モデルを使って、福島第一原発事故と同規模の事故を想定し、半減期が三十年と長い放射性セシウムの拡散と沈着量の予測を行った。
気象の条件は、風が美浜(原発)から滋賀県に向かい、雨が降って同県に影響が及ぶ日として、二十三年七月二十九日の事例を選んだ。
それによれば、セシウムは長浜市北部の一部に、三〇〇万ベクレル/平方メートル以上の高い沈着が見られた(図参照)。なお沈着は、長浜市から米原市にかけて広い範囲に及んだ。
また、十七年度から、「琵琶湖流域水物質循環モデル」を構築しているが、このモデルを使って、陸域や河川に沈着したセシウムやヨウ素が琵琶湖へ流入したり、直接、雨で琵琶湖へ降り注ぐことによる汚染濃度を予測した。
福島原発事故後の航空機モニタリング結果(文部科学省)を参考にして、琵琶湖流域に一〇万ベクレル/平方メートルの放射性物質が降り注いだと想定し、二十二年四月一日~六月三十日までの三か月を循環モデルでシミュレーションした。
それによると、琵琶湖の表層(水面から五メートル深)では、セシウムの最高濃度が北湖二〇・六ベクレル/リットル、南湖二七ベクレル/リットル、ヨウ素の最高濃度は北湖二四・一ベクレル/リットル、南湖四一・五/リットルとなった。
国が定めた現在の飲料水の基準はセシウムが一〇ベクレル/リットルであり、北湖が基準の約二倍、南湖が約二・七倍であった。ただしセシウム濃度は湖底への沈殿などにより、約一か月で一〇ベクレル/リットル以下になった。
同研究センターは「琵琶湖で放射性セシウムやヨウ素が検出されても、浄水場で一定程度は除去が可能」と話している。【石川政実】







