焦点は次期知事選に《参院選を振り返る記者座談会<下>》
◇全県
―今後の焦点は来夏の知事選に移ったが、先の参院選では、嘉田由紀子知事がフェイスブックで「経験と思想を持っている人に期待したい」と民主党現職(当時)の徳永久志候補支持を匂わすメッセージを出したり、先月二十日には山形県へ赴き、みどりの風の舟山 康江候補(落選)を応援したりと、“非自民”の姿勢が際立ったね。
A 嘉田知事は同月二十一日夜、当選の喜びに沸く自民新人の二之湯武史氏の事務所で「二之湯さんはイケメンだけでなくイクメン。県民に寄り添った政策を期待します」とお祝いの言葉を述べたが、その舌の根も乾かぬうちに、同会場での記者のぶら下がりでは「原発問題が争点にならなかったのは(自民党の)戦略だ。(目先の経済優先の)アベノミクスが功を奏した。考えたらマッチポンプだ。経済が悪くなったのは、原発事故が起こったのは、誰のせいか」と自民党をこきおろした。
―自民党は意地でも知事選には、対抗馬を出さざるを得ないね。
B ところが嘉田知事に対抗できる、若くて知名度がある候補者は、なかなか見つからない。嘉田知事はフェイスブックなどで徳永氏を一応、応援した格好だが、その一方で嘉田知事の側近中の側近、松田馨・選挙プランナーが二之湯氏の選挙ポスターなどを請け負っており、徳永、二之湯両陣営に保険をかけたとの見方もできる。
―松田氏は、嘉田知事に事前の了解を取ったのか。
B 松田氏は「了解を取った」と話している。自民党県連には、松田氏を抱え込んで嘉田知事を足止めさせるねらいがあったようだ。
A 民主党が手玉にとられたわけか(笑)。嘉田知事は、いまや県政に大きな影響力を持つ自民党有力県議を一本釣りして、同党推薦を取り付ける可能性も否定できない。自民党県議らは二年後の県議選で、嘉田知事が支援する候補者とは争いたくないのが本音だからだ。
―嘉田知事は、昨年十二月の総選挙で党首を務めた日本未来の党が惨敗したため、しばらくは大人しくしていたが、ここにきて三選へやる気満々だね。
B 元気が出てきたのは、参院選と同日に行われた兵庫県知事選からだ。現職の井戸敏三氏が四選を果たしたが、日本維新の会が対抗馬を立てられなかったことで、関西の知事らにとって、同党がこわい存在でなくなった。これまでは、維新の会が対立候補を立ててくるかもしれないという恐怖から、各知事は、維新の会共同代表、橋下徹・大阪市長に歯向かえなかった。今後、関西広域連合の主役は、橋下市長から井戸知事や嘉田知事に移ることが考えられる。
A それならなおのこと、知事選で自民党が対抗馬を担ぎ出すなら、維新の会、みんなの党、公明党、場合によれば民主党とも選挙協力ができる候補者選びが必須条件だ。
―いずれにせよ年内に候補者擁立ができないと、嘉田知事の三選が確定することになるね。(連載終り)
【石川政実、高山周治】







