民主・連合 転換迫られる連合発祥の地
◇全県
四年前に誕生した民主党政権。同党を支援する労働団体“連合”の組合員らは「これで働く者の声が反映される」と期待に胸を膨らませた。しかし、党内紛争に明け暮れる民主党に失望させられ、昨年十二月の総選挙では、組合員から「なぜ民主党を応援するのか」の声が噴出した。民主の徳永久志候補を推薦する連合滋賀を追ってみた。【石川政実】
昨年の県の雇用者は五十七万二千人だが、うち組合員は十万一千人で、組織率は一七・七%に過ぎない。組合員の約七割が連合滋賀、約一割が共産系の県労連に加盟する。
今回の参院選では「労働組合に政治活動が本当に必要なのか」と組合員から、批判の矛先が連合にも向けられるようになってきた。
連合滋賀の松元光彦事務局長(46)は「安倍政権は解雇ルールの緩和などに動いている。今後の連合は、顔の見える地域活動とともに、社会の不条理と戦うスタンスを明確にしなければならない」と言う。
十年前の平成十五年、元日弁連会長の故・中坊公平氏が座長を務めた“連合評価委員会”が最終報告書の中で「連合は自己の内部に、社会の矛盾が反映することを見出し、それに厳しい異議を申し立てなければならない」と指摘しているだけに、いまさらの感がある。
最終報告書をバイブルにする連合傘下、自治労県本部の小石さとみ委員長(51)は「市町の幼稚園や保育園では、非正規の臨時職員がいなければ職場が回らない。臨時職員は日給制で、年収が約二百万円程度。自治労では、臨時職員の組合をつくり、日給制を月給制に引き上げるなどの取り組みを行っている。労働組合の原点は、労働者は弱い存在であり、連帯しなければならないこと」と自分に言い聞かす。
若い人たちにも非正規雇用や憲法などの社会問題に向き合ってもらおうと、自治労滋賀では「若者プロジェクト」を五月に立ち上げ、県内の若者らと十二月十五日の「憲法を考えるユース(若者層)フォーラム」開催に向け、現在、準備を進めている。
滋賀は「連合発祥の地」。平成元年に連合が結成される十五年も前の昭和四十九年の知事選で、地評と同盟、中立、新産別の労働四団体と野党の共闘で武村正義県政を誕生させた。
その立役者の一人、東郷栄司・元連合滋賀会長(75)は「労働四団体が中心になって知事選を戦ったのは、社会党や民社党の力が弱かったからだ。民主党の誕生で連合は後退したが、もし民主党が参院選で惨敗するなら、連合が働く者の政党を作り直せばいい」と危機感を深める。
民主党県連の川端達夫・1区総支部長(68)=前衆院議員=は「かつての労働四団体にはもうもどれない。ただ連合滋賀は、若い組合員に政治活動がなぜ必要かを研修で伝えていくべきだ。参院選を契機に連合も大きな転換期を迎えている」と話した。







