大津地裁
◇全県
ディーゼルエンジン部品製造のヤンマーキャステクノ甲賀事業部(湖南市)は、同社工場から飛散した鉄粉で倉庫屋根の腐食が進んだとして、同社に損害賠償を求める甲西陸運(同)を相手取った訴訟を三十日、大津地裁で起こす。
この問題は、一昨年十月中旬から同年十二月上旬までの一か月半、市内柑子袋にある同社工場の部品鋳造で生じた鉄粉が、集塵機の故障により場外へ飛散したことに起因する。
表面化したのは、発生から二か月後、近くの住民が「自動車に鉄粉が突き刺さっている」と市へ通報したため。被害範囲は、工場から西へ約一キロ、東へは約五百メートルにわたった。同社は鉄粉の飛散を認め、昨年十二月までに千六百台の修理に応じた。
隣接する甲西陸運とは、流通センターの倉庫やテントの屋根に鉄粉がもとで生じたとされる腐食などの損害賠償について、昨年八月から今年二月まで三回にわたり協議を重ねた。しかし、両社の見解の相違が大きく、賠償額がまとまらず決裂し、司法の判断に委ねることになった。
同社事業部は、ヤンマー関連会社となる前の「旧甲賀精密鋳造」時代にも、鉄粉の飛散を三回(平成十二年、十五年、十八年)起こしている。
発生のたびに県・市は合同で立入検査を行い、施設改善を指導してきた。さらに県は繰り返される事故を問題視し、平成十九年~二十一年、年一回の特別の立入検査を行ったが、「問題はなかった」(県甲賀環境事務所)という。
今回、行政指導を受けた同社は、防止対策として全集塵機十二台を入れ替えるとともに、大気の監視モニターと観測塔を設置するなどして管理体制を強化したとしている。






