原子力安全協定締結
◇全県
県と長浜、高島の両市は、福井県内に原子力発電所を持つ関西電力らの事業者と原子力安全協定を結んだ。原発立地の福井県以外の自治体と結ばれた近畿初の安全協定に「原子力安全に行政、住民が関わる第一歩」と評する嘉田由紀子知事は今後、立地県並みの協定充実に意欲を示すが、そのハードルは高い。
この協定は、事業者が原発異常時の連絡など安全に関する十三項目について、施設から三十キロ圏内の県と二市に対して義務を負うもの。 協定内容=表参照=は、▽新増設の事前報告▽燃料輸送計画の事前連絡▽職員による現地確認―など、準立地自治体並みの内容を盛り込んだ十三項目で、施設ごとに半径三十キロの自治体と締結された。
嘉田知事は今後の課題に、▽新増設の事前了解▽事故時の立入調査と再稼働(定期点検は含まない)の事前了解―といった立地自治体並みの協定充実を挙げる。
しかし、そのハードルは高い。関電などの事業者は、自治体との安全協定の内容を、施設が立地するかどうか、または隣接するかで明確に差をつけてきたからだ。
これについて嘉田知事は締結後、「行政境界に関係なく大気はつながっているので、(福島原発の事故のように)影響を受ける。立地自治体並みを求めるのが筋」と主張。これに対して出席した豊松秀己・関電副社長は「真摯(しんし)に協議していくのが私たちの立場」と明言を避けた。
また、安全協定はあくまで「紳士協定」であり、法的に締結を義務付けたものではない。このため県担当者は「事業者がノーといえばそれまでになる」と交渉の難しさをいい、嘉田知事は「国が法的に位置付けるべき」と繰り返し述べてきた。
県は今後、協定の充実に向けて、県と県内市町、事業者からなる連絡協議会を今夏まで設置し、緊密強化を図るとともに、今春設置した原子力防災室を軸に機能強化に努める方針だ。







