再選を果した橋川渉・草津市長に聞く
◇草津
任期満了に伴う草津市長選は十二日に告示され、再選を目指す現職の橋川渉氏(63)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、同氏が無投票当選を果たした。そこで、二期目に向けて、「『さらに草津』宣言」をキャッチフレーズに、(1)教育・福祉(2)産業・交通・地域(3)環境・防災・防犯(4)市政・財政―の四政策七十七施策の新しいマニフェスト(選挙公約)を掲げている橋川市長に、今後の抱負を聞いた。(聴き手・石川政実)
シリーズ 地域主権時代の首長たち(1)
3・11で行政の在り方問い直す
―今回のマニフェストでは、とくに子育て、教育、防災に力が入っていますね。そもそも一期目のマニフェストとは、なにが大きく変わりましたか。
橋川 昨年六月一日、東日本大震災で町長が津波に流されて亡くなられた岩手県大槌町を、支援のために訪れました。悲惨な状況を目の当たりにして、思わず言葉を失いました。改めて政治や行政には、「想定外」が許されないことを痛感しました。行政をあずかる者として教訓になったのは、人と人との絆を大切にする地域づくりをしなければならないということです。そして、将来、日本の復興を担う子どもたちを守り育てていく責務があるということです。
避難所でも、地域の絆があるところはスムーズにいっています。その経験も踏まえて、まちづくり協議会の設置などを公約に掲げました。3・11は、政治や行政、地域の在り方を根底的に問い直す契機になりました。大きく変わったとすれば、その点ですね。
―安心・安全のためにも、地域の絆をどうつくるかですね。
橋川 ええ、このために市民と協働して、十三の小学校区にまちづくり協議会を設立しようと考えているわけです。今年度末には九学区ができる予定ですが、協議会の場で町内会、自治連合会、老人クラブ、子ども会などが集まって、地域の課題を地域で考えてもらい、市はそこに地域一括交付金を出そうとするものです。
また原子力災害も含めた「地域防災計画」の見直しを今年度中に行います。当市は福井県の大飯原発からわずか六十キロにありますから、原子力専門家による検討委員会を年度末に設置し、避難体制などを協議していただきたいと思っています。 さらに大規模な地震対策として、震災時の司令塔となる「コミュニティ防災センター」の移転改築も行います。
―草津市は、昨年十一月末現在で十二万四千八百人(前年同月比約二千人増)=住民基本台帳人口=と人口が急増しているだけに、子ども政策の充実が求められていますね。
橋川 ええ、当市は子どもの数が多いですから、保育所への待機児童も先月時点で百十六人に上っています。これからも待機児童は増えるものと見られています。このため市が誘致した民間保育所がこの四月にオープンする運びで百二十人の定員増になりますが、さらに既設の民間保育所で新たに二百人を受け入れて、一気に待機児童ゼロに持っていくつもりです。
また子ども政策だけでなく、高齢者福祉についても、一人暮らし高齢者のサポーター制度の導入や介護施設の充実・拡大も図っていきます。
―橋川さんが最も力を入れている教育はどうですか。
橋川 きめ細かな教育環境を実現するために小学校の全学年で、三十五人の少人数学級を実現していきます。滋賀県下では、三年生まで少人数学級にしていますが、これを六年生まで引き上げるもので、県内では初めての試みです。
―中心市街地活性化も懸案事項の一つですね。
橋川 JR草津駅は、一日の乗降客が五万六千人、草津線の乗り換え客が四万人の約十万人が行き交う県内最大のターミナル駅です。それだけに同駅周辺の中心市街地活性化によって、さらに活力を高める必要があります。このために草津駅前の空閑地の利活用や、草津宿本陣を中心とする歴史的街並みの整備に努めて観光にも力を注いでいきます。
また野村運動公園と旧草津川跡地にスポーツ施設を整備し、防災空間としても活用できるようにしたいですね。
―ところで越直美・大津市長は「大津を元気にしたい」を訴えて先月、初当選しましたが、どんな感想ですか。
橋川 女性の視点を重視する越さんのご活躍に期待しています。私も草津市の活力を引き出して、“滋賀県全体”を元気にしたいと思っています。だからこそ、教育を大事にしたい。将来の日本を担う人材が草津から世界に羽ばたいてもらいたいと願っています。そのためにも、まず草津にいたら、やりがいのある仕事ができる、安心して子育てもできる、教育も充実して幸せが実感できる、そんなまちにしていきます。








