栗東市の出庭・深井戸3号
◇栗東
原水から発がん性のヒ素が検出されていた栗東市の水道水源池のひとつ、出庭の深井戸三号の取水が、平成二十二年六月で停止していたことが分かった。市は、稼働中に実施していた原水の検査結果をホームページで公表し、市民の不安解消に努めていたが、今回の取水停止については広報しなかった。【高山周治】
市上下水道課 「給水に影響なく、広報必要ない」
日本環境学会前会長の畑明郎氏「RD由来の可能性があるヒ素汚染の証拠隠滅」
栗東市の上水道は地下水に依存しており、出庭の深井戸三号はその一つ。市はヒ素を問題視して、通常年三回の検査体制を強化し、毎月実施していた。
ヒ素濃度の最大値は、グラフのとおり、ピークの平成十七年度と同十九年度で浄水水質基準値(一リットル当たり一〇ppb以下)の二分の一を超える六ppbもの数値が検出される月があった。
また、年間平均値は平成十六年度から上昇し、三ppbだったのが、同二十年度には四・五ppbまでに上昇。同二十一年度には三・六ppbに下がったものの、基準値の十分の一未満しか検出されない他の井戸と比べて突出していた。
この問題を巡っては本紙が、上流のRD処分場関連の可能性を指摘する記事を平成二十一年十二月に掲載。当時、同市上下水道課は「浄化水質基準値に近い数値なら心配だが、ここ一、二年は落ちついており、問題は無い」と静観していた。
しかし、翌年の六月で取水停止。この理由を同市上下水道課は「施設の老朽化、及びヒ素の検出が続いたため」とし、市民に広報しなかったことに「取水停止しても、市全体の給水量で占める量は大きくなく、市民生活に影響はないと判断した」と弁明している。
これについて土壌汚染研究の権威であり、市RD調査委員会で委員を務めた日本環境学会前会長で、元大阪市立大学大学院教授の畑明郎氏は「取水停止の主因はヒ素の継続検出であり、上流のRD処分場由来の可能性があるヒ素汚染を隠滅するための姑息(こそく)な行為だ」と指摘する。
ちなみに同市は、取水停止した出庭深井戸三号から国道8号を挟んで約二百メートル南東の出庭浄水場横に、新しい水源地を設ける工事を、平成二十二年十二月から着工している。








