弥生時代の巨大集落「伊勢遺跡」
◇湖南・守山
守山市教育委員会が、弥生時代後期における近江南部のクニの中枢を担ったとされる巨大集落「伊勢遺跡」の国史跡指定を目指して、早ければ今月中にも国へ意見具申(申請)することがわかった。文化審議会の審査を経て、今年度中には史跡指定される。国の史跡に指定されると、開発行為に規制がかかる。県内の国史跡は現在四十三件あるが、このうち弥生時代は同じ守山市内の「下之郷遺跡」のみで、伊勢遺跡が指定されると二件目となる。
県内の弥生時代の国史跡は2件目
今回、伊勢遺跡で国の史跡指定を計画しているのは、同市伊勢町、阿村町にまたがる中心部千五百平方メートルで、周辺は宅地化が進む。すでに地権者の同意をほぼ得ており、申請に向けて県教育委員会と協議に入っている。
伊勢遺跡そのものの面積は、東西約七百メートル、南北約四百五十メートル、三十ヘクタールに及び、中心部からは弥生時代後期の大型建物跡十二棟が発見されている。
具体的には、同時代最大級の主殿(床面積八十平方メートル)などの大型建物三棟と楼観(物見やぐら)を中心に、祭殿とみられる大型建物がほぼ等間隔で円周上に建てられていた。
これらの遺構は、王が政治やまつりを執り行った特別な空間であったとみられ、このことから近江南部に展開した勢力の中心集落であり、クニの中枢を担っていたことが推測される。
ちなみに同遺跡を巡っては、「邪馬台国近江説」とする書籍が昨年相次いで出版されて話題となり、これを切り口にしたまちづくりの機運が高まっている。 守山市教育委員会文化財保護課は邪馬台国近江説については慎重な見方をしているが、国の史跡に指定されることで「貴重な文化遺産が継承されるだけでなく、これがまちづくりのきっかけとなり、ひいては市民の地域への愛着が生まれることになれば幸い」と期待している。








