編集主幹・石川政実
◇全県
滋賀県の自民党は、いまも茫然(ぼうぜん)自失である。十一日投開票の知事選(投票率六一・五%)では、自民党県連が擁立した上野賢一郎・前同党県連会長(前衆院議員)が二十万八千票と伸び悩み、現職の嘉田由紀子氏にダブルスコアで完敗した。同日の参院選滋賀選挙区(同六〇・八%)でも、全国の一人区で自民 党が圧勝したのに対し、滋賀選挙区では自民新人の武村展英氏が二十一万票と、民主現職の林久美子氏に約十万票差で大敗したからだ。
ちなみに平成十九年の参院選(同六〇・三%)では、自民現職の山下英利氏が二十六万三千票を得票しており、武村氏は山下氏の得票から約五万票を減らしたことになる。上野氏も武村氏とほぼ同じ得票だけに、同党の固い票は、まだ約二十一万票もあるのだ。今後、参院選などで勝つには、イメージ戦略などで無党派層を引き 寄せて、最低でも三十万票に乗せる態勢づくりを急ぐべきだ。
同党は、十八年に行われた前回の知事選で民主党らと現職知事を推薦して嘉田氏に敗れて以降も、十九年の県議選と参院選、昨年の衆院選、さらに今回の知事選、参院選と五連敗。
この要因としては、民主党が嘉田知事誕生直後に新幹線新駅の凍結・中止を容認する路線変更を断行したのに対し、自民党は政権与党の矜持(きょうじ)から、三年前の参院選までは嘉田氏の選挙公約を容認しようとはしなかったことだ。二点目は、小泉改革によって深刻な格差社会が生まれたことへの反省がいまも不十分 なこと。三点目は、司令塔に当たる国会議員が一人もいないことである。
全国の都道府県で、衆参の国会議員が一人もいない空白県は、岩手県、山梨県、滋賀県の三県のみだ。この惨状を放置すれば、やがては、全国の自民党の足を引っ張りかねない。
これを回避するためにも、自民党県連は、同党本部に働きかけて、早急に“国会議員空白県”に対し、財政再建団体ならぬ、「自民再建選挙区」に指定してもらい、党本部の監督・指導で国会議員を誕生させることだ。
一例を挙げれば、参院議員(比例区)の有村治子氏を衆院滋賀4区に鞍替えさせることもあり得るし、次期衆院選候補者については、小選挙区と比例との重複にして、党本部に比例順位を優先的に引きあげてもらうことも大事だ。
また、今回の知事選で反嘉田として山田亘宏・守山市長ら五人の市長らが「市長有志の会」を結成したが、これを発展解消して、道州制を掲げる橋下徹・大阪府知事に共鳴するローカルパーティー「滋賀維新の会」を立ち上げ、若手候補者を中心に来年の統一地方選を複眼的に戦うべきである。
一方、不在の県連会長には、市長有志の会の山田亘宏・守山市長や冨士谷英正・近江八幡市長、あるいはかつての政敵であった武村正義元大蔵大臣や文化人などに登場願って、マスコミをアッといわせる人選を行うことだ。おこがましくもあえて言わせていただく。「自民党よ、なにを恐れているのだ。党本部の力を借りてでも大手術を断行せよ」と。







