昨年12月に次ぐ低水準
◇全県
帝国データバンク滋賀支店がこのほど、今年二月の県内倒産集計を発表した。
二月の県内企業倒産(法的手続き、負債一千万円以上)は八件で、負債総額四億四千四百万円は昨年十二月の四億二千八百万円に次ぐ低水準。一件あたりの負債は五千五百万円(前月二億四千八百万円)。
負債額五億円を超える大口倒産が三件も発生した前月(昨年十二月)比でみると、件数が三八・五%、負債総額が八六・二%と、大口倒産がなかったことから件数・負債とも大きく減少している。
また、前年同月比でも、件数が三三・三%、負債総額が四二・九%と減を示し、今年二月に入ってから再び倒産が落ち着きの様相を見せている。
倒産形態は、自己破産が七件と全体の八割以上を占め、破産による清算型の倒産が多い。その主要因は、「市況の悪化にともなう販売不振や受注の減少、業界不振」といった景気変動に起因するものが七件で、全体構成比八七・五%を占めた。放慢経営による倒産が一件発生しているものの、依然として景況感の悪化による倒産が多発する傾向に変わりはない。
資本金別では、「個人経営」が五件と全体構成比六二・五%を占め、前年同月になかった「資本金一千万円未満の法人」が二件、「資本金一千万円以上五千万円未満」が一件が発生。
負債総額は「五千万円未満」が四件と全体の半数で、続いて「五千万円以上一億円未満」が三件、「一億円以上五億円未満」が一件だった。
地域別にみると、大津地域二件、南部地域一件、甲賀地域一件、東近江地域一件、湖東地域三件で、湖北地域と高島地域はなかった。
倒産件数八件のうち「建設」が五件と、全体の半数を上回っており、公共事業の縮小といった業界不振に加え、景気変動要因による建設工事などの受注減が追い打ちをかける結果となっている。
その一例として、負債約一億百万円を抱えて自己破産申請した伸和工業(資本金一千万円、犬上郡多賀町)は、昭和五十五年四月に創業し、建築工事業を主力に土木工事業も平行して事業活動を展開し、一般施主を中心に官公庁を含む元請工事、建設会社などからの下請工事と比較的幅広い工事受注も手掛けていた。
しかし、近年は公共工事の減少に加え、設備投資抑制や消費不振などの影響が大きく、さらに受注単価も厳しい状況となっていた。平成十八年五月期決算から同二十年五月期の三期間は欠損計上が続き、同二十一年五月期で売上高六千九百万円に対して当期利益五万円に留まって推移。今期に入っても受注状況は低調で採算割れの運営が続き、売上高の伸び悩みや採算悪化の状況から先行き資金面での見通しが立たなくなったことで、今回の措置に至った。
総体的に見て、帝国データバンク滋賀支店は「全体としては倒産件数・負債総額とも落ち着きがみられる。こうした背景として『中小企業金融円滑化法』の施行に伴う金融機関における返済猶予への取り組みや、中小企業庁によるセーフティネット保証制度、信用保証協会の緊急保証制度による融資が支えている点が挙げられる。ただ、こうした政府主導による金融政策の効果も限定的であり、実態経済の回復による中小企業の業況回復が待たれるところだ」と指摘する。






