今年度は「制度設計フェーズ」7月知事選挙の争点の一つにも
【県】 県に関わるすべての人の「より良い暮らし」を実現するため、県が新たな地域交通ネットワークの構築を目指して検討してきた「滋賀県地域交通計画」が3月31日に策定された。県政世論調査で不満度15年連続1位の公共交通の課題改善へ向け、今年度から同計画に基づいて開始される具体的な取り組みに関心が高まる一方、7月の知事選挙で争点の一つにもなりそうだ。(羽原仁志)
●5年間で段階設定
同計画は県が2040年代を見据えて25年3月に策定した「滋賀地域交通ビジョン」を実現するためのアクションプランとして策定された。県の特設サイト「SHIGA SMART ACCESS(シガ・スマート・アクセス) 2040s」(https://www.shigasmart2040.jp/)で公開されている。
同計画概要版によると、まずは今年度から30年度までの5年間を実施期間とし、年度ごとに「制度設計」、「試行開始」、「先行実施」、「拡大」、「定着・評価」の5段階を設定。「制度設計フェーズ」となる今年度は▽バスなど補助、運賃支援▽JR線の増便に向けた利用者増加スキームの設計とモデル事業の実施・分析▽市町、交通事業者との協議▽交通軸となるバス路線の交通データの収集・分析▽県民との対話の実施などに取り組むとしている。
定例記者会見で同計画策定について紹介した三日月大造知事は「計画策定を大きな推進力にしていきたい」と述べた。
●懸念する声も
先月、大津市内で開かれた市長会議で同計画原案が示された際、一部市長から「この原案を示したことで市町と合意を得たとは考えないでほしい」、「県も市町も10月には次年度の予算編成が始まる。4月から計画がスタートし、7か月後には次年度の段階について調整を始めなければならないというのは時間感覚がずれているのではないか」と厳しい意見も挙がった。市町や関係機関との協議は引き続き継続される。
●知事選への余波
同計画に併せ、話題に上がるのが計画実施のための新たな財源についてだ。
県では、「特定の事業者を守るためや通行に対する税ではないかなどと誤解を生じる」として、昨年度から「交通税」という言葉は用いず、「新たな税の是非についても引き続き協議、検討を進めていく」としている。
自民党県議団のベテラン県議は「この時期に『交通税』という言葉を消したのは知事選への争点ぼかしだ。言葉を消せば不安が消えるわけでない」と牽制。一方、チームしが県議団のベテラン県議は「公共交通の充実は県民にとって重要な施策。『交通税』という言葉だけ切り取って知事選の政局にしてしまうのはいかがなものか」と懸念を述べている。







