新たな発見に期待高まる
【東近江】 県は20年間かけて進めている「特別史跡安土城跡令和の大調査」について、今年度の調査が7月30日から始まったことを発表した。今回は昨年度に引き続き、本丸跡と伝わる場所から天主台に至る「伝本丸取付台」東半エリア(東近江市南須田町、594平方メートル)で発掘調査を行う。「幻の城」といわれる安土城の実像に迫る新たな発見の可能性に関心が高まっている。
県では、安土城の実像を解明し、目に見える形にすることで安土城の価値・魅力を発信し、県と地域の盛り上がりにつなげることを目的に、2019年度から「幻の安土城復元プロジェクト」に取り組んでおり、その一環として23年度から「令和の大調査」と銘打った特別史跡安土城跡調査・整備事業を実施している。
これまでの同調査では、織田信長没後、権力を担った豊臣秀吉が自身の威厳を示すために意図的に城郭を壊した可能性を示す「破城(はじょう)」を行ったとされる痕跡や天主台直下で隣接する「本丸取付台」から柱を支える礎石列が新たに確認されたなど、安土城の本当の姿が少しずつ分かってきた。
今年度の調査を行う「伝本丸取付台」東半エリアでは、1965年と71年に石垣の修理工事が実施されており、97年度には石垣の現況調査を実施、2000年度の発掘調査では建物の礎石列が確認されている。
今回の調査で、特に期待されている成果の一つは、本丸御殿と天主台の間にあったとされる建物の実像の解明だ。これまでの調査では、建物が建てられていたことは確認されているが、それがどのような規模だったのか、どんな性格・役割を持った建物だったのかなど、分かっていないことの方が多い。改めて調査することで天主台と本丸御殿をつなぐ役割だったのではないか、それとも独立した別の建物だったのではないかといった、当時の安土城の姿の手がかりをつかめる可能性がある。
また、天主台石段前の様子についても調査を行い、伝本丸取付台の建物と天主入口の配置についても迫る。
定例記者会見で今年度の調査について紹介した三日月大造知事は「昭和、平成に大調査をしてきたが、まだまだ分からないことが多い。でも分かりたいという夢とロマンが詰まっている城跡だ」と述べ、「その調査を地道に、着実にかつ丁寧に進めていくことは今、滋賀県にいる私たちの一つの使命だ」と述べた。続けて「令和の大調査でいろんなことも分かりかけてきたので、さらに詳しく解明するものが今回の調査で出てきたらいい」と期待を寄せ、「調査の結果はできるだけ分かりやすく伝えたい」と語った。







