重点項目は知事・副知事に直接行う
【東近江】 東近江市は、県に対して同市の課題に配慮した新年度予算編成を要望するため、19項目にわたる政策提案を行った。このうち重点項目については、小椋正清市長が14日、県庁を訪れ、知事と副知事に直接提案した。重点項目の内容は次の通り。
【愛知川の清流を取り戻す流域政策】
東近江市は、市域の56%を森林が占め、鈴鹿山脈から琵琶湖までが一級河川愛知川でつながり、森・里・川・湖といった多様な自然環境を有しているが、近年、局地的な豪雨や山腹崩壊による土砂流出によって愛知川及び永源寺ダムの長期的な濁りが発生している。
愛知川本来の清流を取り戻すことは、生物多様性の減少を止め回復軌道に乗せるというネイチャーポジティブの実現に寄与するもので、自然資源を次世代に継承するため、部局を超えた流域政策を継続的に実施されたい。
【銘茶政所茶の振興に対する支援】
600年以上の歴史をもつ政所茶の産地である奥永源寺地域は、無農薬・無化学肥料栽培を守り続けている全国でも希少な産地である。かつて「宇治は茶所、茶は政所」と歌われ、銘茶として広く知られた。
しかし、明治以降、生業の変化や生産者の高齢化などによって、生産量は減少の一途をたどり、地域唯一の製茶工場も老朽化していることから、今年度に生産者による法人設立と製茶設備を更新する。
政所茶の振興のため、法人による持続的な生産と安定的な茶工場の管理運営が確保できるよう必要な支援を講じられたい。
【美しい伊庭内湖を守り続ける取組】
伊庭内湖は、これまで人と自然との関わりが非常に深く、また希少な動植物が生息するなど生物多様性に富んでいることから、「重要文化的景観」に選定され、「日本遺産」にも認定されている。
しかし、近年、水草が著しく繁茂し、水面を覆いつくすなど、水生生物に悪影響を及ぼす可能性があることや、美しい景観が損なわれることが懸念される。
こうした中、今秋の国民スポーツ大会のカヌー競技会場となったことを契機に水草などの除去作業により本来の姿を取り戻したところである。今後も美しい伊庭内湖を守り続けるため、再び水草が繁茂しないよう、適切な対策を講じられたい。
【森林資源の利用に対する支援の拡充】
東近江市は、「100年の森づくりビジョン」を策定し、森林づくりのあるべき姿を掲げている。ビジョン実現のため、森林資源の利用や林業に従事する人材の確保及び事業体の育成について支援を拡充されたい。
【文化財の保護と活用】
東近江市を含め県内には多くの文化財が所在するが、その存在や価値を十分に発信できないため、滋賀県が国内屈指の文化財所在県の認識がされていない。
また、老朽化により修理が必要な文化財は数多くあるが、国などの補助を得て着手するまでかなり時間を要するものもあり、このままでは適切に管理できず、保存継承が困難となることが危惧される。
県は、文化財が適切に管理できるよう計画的に修理を行い、補助制度を充実させ、これまで以上に文化財の保存に努められたい。
さらに歴史的・文化的魅力を広く周知させるため、あらゆる機会をとおして重要文化財などの公開活用を積極的に実施されたい。






