滋賀県CDRモデル事業
【県】 予防できる子どもの死を減らし、死が不可避な場合でも、より質の高い医療とサービス、生活を提供できるようにするために関係機関が連携し、県内全ての18歳未満の死亡情報を分析・検証する県の「CDRモデル事業」の今年度の取り組みがスタートした。全国でも先進的な取り組みに関心が高まっている。(羽原仁志)
全国の中でも相当有効な検証を実施
政府に県の取り組み成果から要望
「CDR(チャイルド・デス・レビュー)」とは、全ての子どもの死亡情報を分析・検証することで、同様の原因によるその後の子どもの疾病や事故などの予防につなげようとする試み。
日本では、生育基本法と死因究明等推進基本法で「子どもの死因に関する情報収集の活用などに関する検討をすること」などと示しており、2020年から厚生労働省(23年からは子ども家庭庁)がCDRの制度化に向けたモデル事業を各地で実施、現在10道府県が取り組んでいる。
県もそのうちの一つとして同年から滋賀医科大学に事業委託し、同大、県医師会、中核病院、地域小児科センター、大津地方検察庁、県警本部、県健康医療福祉部などが連携して取り組む「滋賀県CDR推進会議」を設置、毎年の検証結果を知事に提言する形で施策に反映させている。また、昨年度は水難事故が多かったことから同会議と県で水難事故防止を呼びかけるパンフレットを作成し、配布した。
先月、同会議今年度1回目となるキックオフミーティングが県庁で開かれ、関係者に取り組みをより周知するための体制整備や今年度確認された事例の検証などが行われた。
同会議会長を務める同大学医学部の一杉正仁教授は「県では、医療関係者、県職員、検察、警察が一堂に会して検証する体制が作れており、他の自治体に比べて相当有効な検証ができている。国として制度を確立するためには、他県でも同じような体制が作られることが重要」と期待を語る。
また、県ではこれまでの取り組みから今月、国に対して▽各府県の情報を集約し、還元できる仕組みづくりを▽個人情報のうち活用できる情報の整理と明示を▽予防対策に向けた交付金制度の仕組みづくりを▽予防可能な死と回避できない死を含めた検証に必要な支援を――の4点について要望した。
CDR事業について定例記者会見で問われた三日月大造知事は「一人ひとりの大切な命を尊重するという立場に立ち、悲しくも起きてしまった死を直視しながら、どういう原因があったのか、次のためにどういう手だてをすることが出来たのかということを検証する事業を行っている」とし、「毎年、県の改善事項を提言で受けており、一定の事業成果は出てきていると思う。さらに事業が進むように取り組みを行っていきたい」と述べている。







