市民団体が三日月知事らを相手取って提訴へ
【全県】 新型コロナウイルスに感染した家族の入院などにより一時保護が必要になった子どものため、県は22年度に県青年会館(大津市唐橋町)の客室や会議室を借上げる契約を結んだが、実際には全く使用されなかったのに年間1095万円を支払ったのは違法として、市民団体「滋賀県市民オンブズマン」(浅井秀明代表)は15日までに三日月大造知事らを相手取って損害賠償を求める提訴に踏み切る。(石川政実)
青年会館借上げ料
契約書にない1年間支払い
県では、コロナ感染症対策の一環として、20年度から子どもの一時保護のために青年会館の3階部分の5客室、1つの会議室を子どもの一時保護のために借上げる事業をスタートさせた。
一時保護の子どもの利用実績は、20年度3人=延べ8日間(県から青年会館への年間支払額975万円)、21年度7人=延べ20日間(1095万円)、22年度ゼロ(同)であった。
県市民オンブズマンの浅井代表は3月21日、「20年、21年度の少ない実態に加えて、21年8月から県が『中学生以下の児童は自宅療養を認める』方針を打ち出したことも考慮すれば、22年度は予約した日数のみの支払いなどに契約を見直すべきだったのに、県は漫然と契約を続行した」とし、県監査委員に住民監査請求を行った。
県担当者は「青年会館の借上げは、子どもを速やかに受け入れる体制のため、恒常的・継続的な使用を前提にしたもので、全額を支払う必要があった」と反論。
県監査委員は先月15日、「県と青年会館が結んだ契約書の記載内容と実際の契約運用に整合性がない点があったものの、青年会館の対象施設すべてを契約期間(1年間)借上げ、その対価として使用料を支払う内容であり、一時保護の利用者がなくても県が1095万円を支払ったことは違法ではない」と請求を棄却した。
それに対し、浅井代表は「監査結果でも契約書運用の問題点を認めているように、棄却は到底承服できるものではない。契約書の第4条では、部屋(客室)の使用料は、予約した日数および部屋数に4千円を乗じた合計額、会議室(1室)の使用料は、予約した日数に1万円を乗じた額となっており、どこにも『1年間借上げたから使用部屋数、日数、予約に関係なく全額払う』と契約には記されておらず、違法な支出は明白だ」と憤る。
このため同代表は「現在、オンブズマンのメンバーが集まり訴訟に向けて協議中で、この15日までには三日月知事らを相手取って提訴に踏み切る」と話している。







