近江商人郷土館の末永國紀館長が書籍出版
【全県】 同志社大学名誉教授で一般財団法人近江商人郷土館(東近江市小田苅町)館長の末永國紀氏が昨年12月、自身の研究の集大成となる著書「近江商人の経営と理念 三方よしの精神の系譜」(清文堂出版)を発行した。このほど、末永氏が県公館(大津市京町4)を訪れ、三日月大造知事と福永忠克県教育長に出版を報告し、3者で近江商人について意見を交換した。
末永氏は福岡県生まれ、佐賀県出身。経済学博士。近江商人の研究を50年以上継続し、数多くの論文、書籍を記している。
同書では、「近江商人の特性は“在地性を維持した広域志向性”―拠点を近江に置きながら、国内外へ広く商域を広げていったこと―にある」とする末永氏が、近江商人らが残した文献を細かく読み解き、地域の中に入って得た史料をもとに約四半世紀かけて積み重ねてきた論考を一冊にまとめた。
全13章構成で、近江商人発祥の基盤から江戸時代の売掛金訴訟についてなど、近江商人が築いてきた経済的地盤の歴史や、史料を基に読み解いた外村与左衛門家、松居久左衛門家、八尾喜兵衛家、小林吟右衛門家、三代目小泉重助、初代伊藤忠兵衛といった近江商人を代表する家や人物の功績のほか、近江商人の妻たちとして西谷なを、伊藤八重、塚本さとの3人の顕彰、「丁稚(でっち)」と呼ばれた下級商店員の生活の紹介、三方よしの精神への論考など、これまで末永氏が発表してきた十数篇の論文を収録している。
末永氏は「『三方よしの精神』は日本企業の背骨になっていく。世界に通じる経営の理念」と述べる。
末永氏の話を聞いた三日月知事は「県でも今年、職員のパーパス(志)を定め、その中にも三方よしを加えた。近江商人の三方よしには未来に通じる志向がある。今こそ、改めて三方よしの精神を学び、広げていきたい」と述べ「そのためにもこの本を熟読したい」と語った。
同書は1冊2万4200円。購入など問い合わせは清文堂出版(TEL06―6211―6265)へ。








