大杉副知事がイタリア、バチカン訪問報告
【県】 県とイタリア、バチカン市国両国との文化交流の深化・発展と、戦国時代、織田信長から当時のローマ教皇に贈られ、現在行方不明となっている「安土山図屏風(びょうぶ)」の調査協力を求めることを目的に、大杉住子副知事が5月21日~23日にかけ、関係諸機関を訪問し、三日月大造知事の親書を現地高官らに手渡した。このほど大杉副知事が県庁で記者団らに現地で感じたことや今後の調査の展望などを報告した。
今回、大杉副知事は、バチカンの文化教育省長官トレンティーノ・デ・メンドサ枢機卿、国務省総務長官ペーニャ・パーラ大司教、図書館・文書館長ザーニ大司教、行政庁長官ヴェルジェス枢機卿、美術館長ヤッタ博士、イタリア大統領府クイナーレ宮のコラルッチ博士に三日月知事からの親書をそれぞれ送った。また、バチカンでは現地全国紙から取材に応じた他、イタリアではハーバード大学研究員で研究者ネットワーク「安土屏風探索ネットワーク」メンバーでもあるエリアン・ルー博士とも情報を交換した。
大杉副知事は記者団への報告で、今回の訪問の成果として「日本大使館と連携し、非常に組織的な対応ができた。県としてもトピックであると同時に日本政府としても深い関心を持っているというのを理解してもらった」と語った。
バチカンでは、キリスト教イエズス会の初等教育機関「セミナリヨ」が安土城下にあったとされることに強い関心を示しており、大杉副知事は「信長から屏風を贈られ、後に教皇へ届ける使節に途中まで同行したバリニャーノ神父は、日本文化を尊重しながら布教することと聖職者の育成に力を入れることを重要視したとされ、その象徴がセミナリヨだ。バチカンもその点に非常に関心を持っている。屏風探索を続けていくにはセミナリヨに光を当て続けることがカギだと改めて認識できた」と述べ、今後、屏風がローマ教皇へ贈られて440周年となる2025年や安土にセミナリヨが完成して450周年となる2030年など、様々な節目で「バチカンとも一緒に何か企画できれば」と期待を語った。
また、今回の訪問では、ローマ教皇庁で宣教などを司る福音宣教省の歴史資料館やイエズス会総長など布教に関する資料を所有している機関や教皇へ贈られた美術品などは後に全国のバチカン大使館へ贈られたられた可能性もあるので、大使館を所管するバチカンの外務省にも調査を広げる必要があることなど、新しい屏風探索の方向性も明らかになった。
大杉副知事は「今回の訪問は、屏風発見に近づく大きな一歩になったと言ってもいいと思う」とし、「探索を続けていくことが異文化との交流や歴史から学ぶことの価値など、現代にも重要なことにつながると痛感した」と語った。








