【全県】 甲賀市甲南町出身の講談師・旭堂南湖さん(49)が聞き集めた県内の怖い話、不可思議な話と県内が舞台の講談を収めた書籍「滋賀怪談 近江奇譚」(竹書房)を先月末に出版した。このほど、南湖さんが県庁で記者会見を開き、同書に込めた思いなどを紹介した。
南湖さんは1973年兵庫県生まれ。幼少の頃に甲賀市に移り住み、高校卒業まで県内で過ごした。その後、進学した大阪芸術大学で大学院修士課程まで修了、99年に講談師の三代目旭堂南陵さんに弟子入りし、琵琶湖にちなんだ芸名で講談師としての活動を始めた。古典から新作まで幅広い演目を語り、探偵講談や現代怪談なども得意ジャンルとする。現在、大阪を拠点に舞台や執筆などで幅広く活動を展開。21年には、県民の文化の向上発展に対して顕著な功績のある人や将来が期待される人などを表彰して功績をたたえる県の文化賞等のうち、多年にわたり優秀な作品を発表するなど文化活動において優れた業績をあげ、その活動において将来を期待される個人・団体に贈られる県文化奨励賞の芸術文化(大衆芸能)部門を受賞した。
南湖さんは「文化奨励賞の受賞は、地元の甲賀市をはじめ多くの人からお祝いの言葉をもらえてうれしかった。受賞から1年経ち、一表現者として県の魅力を発信できればと考え、講談にも多くの話がある怪談をテーマに滋賀県を再発見できる本を目指して書きました」と語る。
同書には、「耳によみがえる音(甲賀市)」、「飛び出し坊や奇譚(滋賀全域)」、「床下の明神石(東近江市)」など、南湖さんが実際に聞いて集めた県内各地の怪談34篇と講談2篇を収録。出版社の竹書房は「全国各地の“ご当地怪談本”を出版してきましたが、滋賀県では初。講談師による怖い、恐ろしいだけではない、滋賀愛の詰まった作品をぜひ手に取ってほしい」とPRする。
南湖さんは「県民にはこれまで知らなかった滋賀県を発見するきっかけに、県外の人には読後に県を訪ねてみたくなるような一冊になれば」と期待している。
同書は文庫サイズ224ページ。税込781円で、県内を始め主な書店などで販売している。








