東近江ロータリークラブ前会長の井田氏と語り合う
【全県】 5月8日から、新型コロナの感染症法上の類型がインフルエンザ並みの「5類」に移行する。そこで、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(元WHO西太平洋地区事務局長)に今後の注意点を聞いた。聞き手は、尾身氏と1990年代からポリオワクチン投与活動を通じて親交のある、東近江ロータリークラブ前会長で東近江市内に歯科医院を構える井田亮氏(元鶴見大学探索歯学講座)。文中敬称略。
感染力強く、一歩進んだ薬なし
基本的な予防、高齢者らのワクチン必要
井田 新型コロナの分類が5類に移行すると、世間の空気は「コロナ禍が収束した」と一変するのでは。
尾身 基本的な予防として、手洗いやうがいなどは続けるべきです。コロナだけでなく、ほかの感染症もありますから。そして、いつも会っている人のリスクは低いが、不特定多数の人が集まる場所、例えば混雑した電車やバスの車中は気をつける必要があります。
とくに換気は十分に行い、そして1人1人が感染しないよう気をつけ、ほかの人に感染させないことを考えて行動してほしい。コロナの感染状況は落ち着いているが、ゼロではないのです。
井田 インバウンドをはじめ経済活動の活発化などで感染の再流行のリスクはありませんか。
尾身 感染の高かった時期と比べて社会生活が活発になっています。繰り返しますが、コロナウイルスの感染がゼロになったのではないので、長期的に考えて行動してください。
井田 ワクチン接種率が低下しています。今後も接種は必要ですか。
尾身 高齢者や基礎疾患のある人にはワクチン投与をして感染時の重症化を防ぐ必要があります。
井田 5類への移行で伝えたいことは。
尾身 社会活動を回していくことも必要ですが、高齢になるほど抗体保有者は低く、年1回のワクチン投与が必要だと思います。
かぜやインフルエンザなどは季節性があり予測ができ、そしてワクチンがあり、薬があります。しかし、コロナウイルスはインフルエンザに比べると感染力が強く、もう一歩進んだ薬がない。
ゆえに5類に移行するとはいえ、ふつうの疾患の疫学のように考えるのは気をつける必要があります。
【新型コロナの5類移行】5月7日で終了するのは、感染者の法律に基づく入院勧告や感染者・濃厚接触者に対する外出自粛の要請など。8日以降も継続されるのは、受診・相談センター、入院医療費の一部公費負担、高額な治療薬の公費負担、入院調整のためのコントロールセンターの運営など。








