【全県】 2021年11月から12月、県に高圧的な言動で要求を繰り返したり、当時の所属会派で機関決定されていないものを会派の総意であるようにして迫ったりしたことなどが県の政治倫理基準に反しているとされた大野和三郎県議(会派=無所属)が14日、県議会2月定例会初日の本会議で陳謝した。
壇上に立った大野県議は、「このたび、私の言動により県民の皆様からの本県議会に対する信頼を損ねたことについて、不徳の致すところであり、率直にお詫びを申し上げる」と謝罪を述べ、頭を下げた。
政治倫理基準違反認める
高圧的言動の動機触れず
続けて、「私が県に対し全国農業協同組合連合会滋賀県本部(JA全農滋賀)と特定業者との取引の見直しを求めるよう要求した際の職員に対する暴言や職員の説明を一方的に遮るなどの高圧的な言動、職員に訴訟中であり実現不可能な要求を執拗に繰り返し、過度な負担をかける行為、議会運営委員会委員長という要職に就いている中での関連予算を議題として取り扱わない旨の発言、および所属会派の決定がないにもかかわらず、会派の政務調整会長を面談に同席させ、県議会第一会派の要求であるかのように装った発言については、当事者はもとより、議会、県民の皆様に対し改めて深くお詫びするとともに、二度と同様の行為を繰り返すことのないよう、自らを強く戒める」と述べ、「政治倫理条例を順守しながら県民の負託に応えるべく、職責を全うしたい」と、再度頭を下げた。
大野県議の陳謝については、県で初めて設置された政治倫理審査会(委員長・真山達志同志社大学教授)が問題を審査し「議員としての職責に欠けた行為」と判断、昨年末、県議会の岩佐弘明議長に講ずべき措置として「本会議における陳謝と文書警告とすることが適当」とする報告書を提出し、岩佐議長は先月、大野議員に「2月県会初日の本会議で陳謝するように」と通知していた。
2月県会初日の終了後、記者団の取材に応じた岩佐議長は「政倫審の判断を受け止めた陳謝だった」と述べた。また、政倫審の報告書には「この問題を個人の問題とするのではなく、議会全体の問題としてとらえ、何らかの対応を講じるように」と付帯されていたことについて「議会としてもこういったことが二度と起こらないよう、各会派と相談しながら対処したい」と語り、「現段階の議会としての政治倫理への対応を次の任期の議員にもしっかりと受け止めていただき、新しい期をスタートしていただきたい」と述べた。
(羽原仁志)
共産県議団が県庁で会見
「利権的行為は陳謝で免罪されない」
共産党県議団は14日、大野県議の陳謝について県庁で会見を行った。
政倫審の委員を務めた同党県議団の杉本敏隆県議は「大野県議が本会議で政倫審が政治倫理規準に違反するとした行為を認めて『二度と繰り返さない』と陳謝したが、それが厳格に守られることを強く求める。今回の政倫審の限界は『議員の品位と見識』にかかる言動に審査を限定し、行為の動機について解明しようとしないところにあった。
わが党は、大野県議が食肉事業の“利害関係者”であると指摘し、特定の業者(堀川食品グループ)をJA全農滋賀などの取引から排除し、自らが関係する会社の利益を追求するところに根本的な動機があると審査会に提示してきたが、真山委員長は審査の対象外としたため、それ以上の議論の進展がなかった」と悔やむ。
さらに、杉本県議は「大野県議は12年前からJA全農滋賀に牛肉加工業者を変更することを執拗に求めていた(JA全農滋賀元副本部長の証言)ことや、食肉市場の部分肉加工の業者選定を入札にするよう圧力をかけたり、職員採用を迫ったりした(滋賀食肉市場元社長の証言)ことは、同議員が『財産上の利益を得ることを目的として』不当な要求を行ってきたことを裏付けている。2020年4月から全農が堀川食品グループの滋賀県食品企業組合を食肉加工から排除することによって、大野県議の妻が代表を務める会社がJA全農滋賀の豚肉加工を直接請け負うことになり、利益を得ているのは利害関係者の証しだ。大野県議が『私が自身の利己的な要求をしているのではない。県当局の姿勢を正したもの』と弁明するが、自己の地位と権限を利用して、堀川食品を排除することを県とJA全農滋賀に求め、私的利益を追求してきたといえる。全農の全国本部の常務に対して、県のJAグループへの補助金(予算)を盾に堀川食品との契約解除を求めるメールを送ったことはその端的な証拠である(滋賀報知新聞が報道)。県議の地位を利用した利権的行為は、今回の陳謝によって免罪されるものではなく、今後もその責任は問われ続ける」と指摘する。
大野県議を政活費詐取疑いで刑事告発
「大津地検は直近も調整中」
一方、同党県議団は昨年12月14日、政務活動費(政活費)から支出された大野県議の県政報告(個人広報紙)発行費用は、二重取りの疑いがあるとして大津地方検察庁(大津地検)に刑事告発している。
ちなみに県議会議員の政活費は、会派に所属する議員に対し、年間360万円が知事から交付されている。自民党県議団においては、240万円を個人の政活費とし、120万円を会派の政活費としている。
大野県議は17年度から20年度において、毎年4回の県政報告を発行している。共産党県議団によれば、その発行経費は毎回、他議員のおよそ2倍の異常高になっている。4年間すべての県政報告において、会派と個人の政活費から同額が支出されている。
杉本県議は「われわれ県議団の調査で、17年度と18年度にまたがる大野県議の県政報告No18号の政活費からの支出によって、新聞折込代と印刷代(請求金額の二分の一)が特定されたことで政活費の二重取りの可能性が高くなったとして刑事告発に踏み切った。
告発から2か月が経過するため、直近で検察官とやりとりしたが、『調整中』との返答だった。大津地検は告発を真剣に受け止めて慎重に対応されている印象を受けた」と述べた。
いずれにせよ大きく歪んでしまった県政を立て直すのは、そう容易なことではない。その意味でも多くの県民は大津地検の対応を注視しているのだ。
(石川政実)








