嘉田、小出の両氏が特別講演 三日月知事、卒原発の決意語る
◇大津
「地域環境保全と原子力発電―滋賀からの発信」をテーマにした日本環境会議が、びわこ成蹊スポーツ大学(大津市)で開かれ、琵琶湖を中心とした滋賀の環境保全と大飯・高浜の原子力発電所の再稼働問題について議論が深められた。
この中で前知事の嘉田由紀子・びわこ成蹊スポーツ大学学長は、避難計画をめぐる県と国の認識のズレを指摘した。
例えば、原発の集中立地する若狭地方に隣接し三十キロ圏に入る長浜・高島市の住民五万八千人は、渋滞を避けるためバスで避難しなければならない。しかし、知事には民間バス会社の運転手を派遣する権限はなく、国の法的な位置づけはあいまいなままだ。琵琶湖も汚染のため約十日間飲料できない。このことから「原発事故は、人間存在と琵琶湖存在の両者を根本否定する」と、厳しく国の姿勢を批判した。
元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は、新規制基準について、「今回の基準は『安全』基準ではなく、『規制』基準である。そのため、それに合格したからと言って『安全だとは申し上げない』と規制委員会委員長が言っている。ところが政治の場に行くと、『安全性を確認した』と言われ、誰一人責任を取らなくてもいい形になる。そして、できない避難計画は各自治体に押し付ける」と、国の無責任ぶりに憤った。
また、「原発を推進してきた政府、電力会社、原子力産業、学会、裁判所、マスコミが、どんな破局的事故を起こしても誰一人責任をとらずに済み、処罰もされないことを最大の教訓として学んだ。仮に再稼働した原発が再度悲惨な事故を起こしたとしても、彼らは誰も処罰を受けない。こんなものに道理はない」と語気を強めた。
三日月大造知事は卒原発への取り組みとして、廃炉四十年のルール適用による原発のない社会の実現や、新エネルギー社会に向けたロードマップの来年度スタートなどを約束した。
最後に「原発を再稼働させることなく、廃炉に向けて政策転換を図ることが、持続可能な社会にいたる第一歩であることを強く訴える」としたシンポジウム・アピールを採択して、閉会した。







