4月12日投票の県議選動向(1)
統一地方選のトップを飾る四月三日告示、十二日投開票の県議選。昨年七月の知事選で、三日月大造知事を誕生させた政治団体「チームしが」(代表=嘉田由紀子前知事)の神通力が通用するのか、十二月の衆院選の自民圧勝、共産躍進の流れが続くのかが焦点。【石川政実、高山周治】
大津市選挙区(定数10)の予想の顔ぶれは、前回の乱立(十六人)と異なり、現職九人、元職一人、新人三人の計十三人が争う。
びわ湖放送でフリーアナウンサーとして活躍した蔦田は前回、みんなの党公認で出馬し、約一万五千票でトップ当選を果たす。しかし昨年十一月、同党を離党し、今回は無所属での出馬だ。毎日、JR駅に立つ蔦田は、県議会では行財政改革に取り組んできた。政策が同じ維新票も狙う。
市北部の真野学区が地盤の自民党県連幹事長の佐野は前回、小野学区から民主候補(落選)、木戸学区から対話の候補(同)、堅田学区から保守系無所属候補(同)の三人に包囲されたが、一万一千票を得票し跳ね返す。今回は、同三人が不出馬なので、この票の取り戻しに力を注ぐ。
自民現職の山本は青年会議所時代から、まちづくりに奔走し、現在三十団体に所属する。
前回は、世古正元県議の後継として、平野、長等学区などを固め、一万票を超えた。だが後援会が三千人だけに安閑とできず、世古との連携が当落の鍵を握る。二月十日、大津プリンスホテルで新春交流会を開く。
県議会会派・自民党県議団の強権さを嫌い、目片は二十五年に会派を離脱し、その後、有志五人で颯新の会を結成。もちろん、いまも自民党員だ。前回同様、自民党の公認はもらわず、推薦に。地盤の晴嵐、石山学区を中心に市南部を固める。父親の信も昨夏から、市長時代の後援会を回る。
政策通の自民現職の佐藤は「がん対策推進条例、歯・口腔健康推進条例など、議員提案で条例を成立させたことが四年間で印象深い」と言う。NHK記者から転身し大津市議二期を務め、前回から、県議選に出馬。今回も地元瀬田東学区を中心に一万票(前回八千九百票)を目指す。
「民主主義の戦い」と無所属現職の沢田は憲法改正を狙う安倍政権に挑む。長く教職員を勤め、県教組で活動してきたが、平成十八年の知事選などで嘉田を応援し、県教職員組合から縁を切られた。このため県教組OB、社民党、嘉田支持者などで「市民後援会」を組織し、選挙活動を展開。三十一日は、唐崎市民センターで嘉田と対話集会を開く。
民主現職の柴田は、出身の東レ労組や東洋紡などで構成するUAゼンセンなどの労組主体の戦い。地元・晴嵐学区内の東レОBへのあいさつ回りは終え、現在は地盤の大津南部のJR駅での駅立ちや労組の各研修の出席をこなす。ママさんバレーの関係者からの勝手連的な動きも期待する。
民主現職の成田は「前回ほどの逆風は感じられないが、選挙区最下位当選だっただけに、気を緩めることは許されない」と必死。
このため三日月県政の実現を前面に掲げることで、唐崎学区中心の後援会のほか、自治労や県教組、JP労組の支援を受け、票の積み増しを図る。
公明現職の粉川は市議候補とともに駅立ちやあいさつ回りを行い、唐崎学区や出身の仰木地域を中心に市北部を固める。主婦・子育ての経験から既婚女性の就労支援施設「マザージョブステーション」の開設や、肺がん検診の実施市町の拡大に尽力した実績を訴え、三選を目指す。
公明新人で元小学校教諭の中村は、引退する梅村正や市議候補と連携し、浜大津以南の支持者へのあいさつ回りや駅立ちで「三十年以上教育に関わった、人づくりのエキスパート」と、知名度アップに全力を注ぐ。大学時代は地質学を学び、地震をはじめとする防災への意欲もみせる。
共産の元県議、節木は前回、取り組みの遅れから、共産以外の支持層への広がりが欠けた。このため今回は共産議席獲得に向け昨年三月から活動を開始。 医療・介護の充実のほか、TPP交渉参加反対で農協にも食い込む。宮本岳志衆院議員を迎える二月十四日の演説会で勢いをつける。
大津市議で共産新人の黄野瀬は、「最も大化けする可能性のある候補」(奥谷和美・共産県委員長)と期待される同党若手の星。黄野瀬氏は若い母親の立場から、子育て世代や若者への訴えを強める。支持者との集いを開くほか、大学前や保育園・幼稚園前での署名活動で無党派へ浸透を図る。
元大津市議の宮尾は、一般社団法人住民自治研究所の代表理事を務め、行政の防災、防犯に対するコンサルティング業務を行う中で、県と市町との連携の重要性を痛感し、無所属で出馬する。市議会時代の旧友である清正会の山本哲平、谷祐治などと連携を摸索。皇子が丘に事務所を開設。
(文中敬称略)
【大津市(定数10)】
蔦田 恵子(53)無・現3
佐野 高典(66)自・現4
山本 進一(60)自・現1
目片 信悟(49)無・現1自推
佐藤 健司(41)自・現1
沢田 享子(66)無・現6社、チ推
柴田智恵美(58)民・現2チ推
成田 政隆(40)民・現2チ推
粉川 清美(61)公・現2
中村才次郎(55)公・新
節木三千代(56)共・元1
黄野瀬明子(31)共・新
宮尾孝三郎(46)無・新
(順不同。自=自民、民=民主、公=公明、共=共産、社=社民、無=無所属、チ=チームしが。無所属以外は、原則公認。ただし,推=推薦、左の数字は年齢、右は期数)






