大津市中2自殺問題
◇大津
大津市で中学二年の男子生徒が昨年十月十一日に自殺した問題で、インターネットの掲示板で知らぬ間に無関係の人の実名がさらされ、その人の職場に誹謗(ひぼう)中傷や脅迫の電話や手紙が送りつけられる事態を招いており、匿名ネット情報の危うさが浮き彫りになっている。そこでネット情報を検証してみた。【石川政実】
昨年十月十一日午前八時すぎごろ、大津市尾花川のマンション一階の広場に男性が倒れているのを管理人の男性が見つけた。男子生徒は病院に運ばれたが、全身を強く打っており間もなく死亡。
大津署では、最上階の十四階の通路柵から通路の手すりを乗り越えて転落した跡があり、自殺を図ったとした。
今回、インターネット掲示板などに書き込まれた少年の自殺情報を整理すると《<1>現場では飛び降りた少年が仰向けになり、遺書がなく、他殺も否定できない<2>少年が救急車で運ばれたのは、地元の救急病院でなく、遠く離れた栗東市の済生会滋賀県病院だった。これは、いじめの加害者とみられる同級生Aの祖父(警察OB)が勤めており、検死などに手心を加えようとしたため<3>県警が自殺した少年の親の被害届を受理しなかったのも、警察OBの力が働いた》などだ。
少年Aの祖父と名指しされた済生会滋賀県病院の病院職員は本紙取材に対し「元警察官であるのは事実だが、Aとは親戚でもなんでもはない。『人殺しの親族を病院が雇うのか』などの電話が病院に殺到したため、七日、草津署に名誉棄損容疑で被害届を出した。ネット社会は一瞬にして人をおとしめるものだと痛感させられた」と憤っていた。
同病院の井関敏夫事務部長は「男子生徒は私どもの病院には運ばれていない。大津日赤など大津市内の救急病院だろう」と答えた。
大津市消防局も「どこの病院とは言えないが、大津市内の病院であることは確か」としており、<2>と<3>は、事実でない。
「午前八時十分前に、ドーンというものすごい音がした。下を見ると、男子生徒が上向きになっており、管理人がかけつけていた。服を着替えて下に降りてみると、同じマンションに住む女性が横にいた。少年の顔には傷がなく、背中から出血していた。救急車が来るまでの間は、インターネット情報にあったように、少年の同級生らが現場をうろついていたという形跡はなかったと思う」と同じマンションに住む男性は本紙に話した。
<1>については目撃情報が少なく即断できないが、いずれにせよ「自殺の練習」をさせられていたとみられる少年が、「自殺」に至るまでの軌跡には、まだ謎が残されているのは確かだ。







