4月から休憩所 「むべの木の館」を開設
◇日野
日野町商工会は一日、昨年十二月十二日から始めた“お買い物バス”の利用者の休憩所、また人と情報が交わる憩いの場として、日野町大窪にある旧野口写真館を活用して「むべの木の館」をオープンした。
少子高齢化の進展により老人世帯や独居老人が増え、移動手段を持たない人が買い物難民化する時代―。日野町商工会は、人と人が直接触れ合う機会を大切にし、高齢者の生きがいづくりと地域経済活性化の観点から「お買い物バスで出かけましょう」と銘打ち、日野ギンザ商店街まで住民を無料で送迎する地域貢献事業を始めた。
送迎は、ゆめさとデイサービスの協力を得て、ワゴン車で実施。町営バスの停留所が乗降場所で、手を上げれば自由に乗車でき、コース内の途中下車も可能。走行コースは、月曜日が西大路コース、金曜日が西桜谷・東桜谷コースとなっている。買い物時間は、午前十時半から午後一時までの約二時間半。
この事業は、当初三月末で一旦終了する予定だったが、予想を上回る利用者があり、切れ目のないサービス提供が重要なため、四月からも継続実施している。
さらに快適な買い物環境を整えようと、空き店舗だった旧野口写真館のコミュニティー施設としての活用に乗り出した。アールデコ調のハイカラな建物は、芸術写真のパイオニアとして県内外から高く評価された野口清輝さん(一八八九―一九八二年)の創作拠点だった場所で、七五三からお見合い写真まで人生の節目に町民が訪れた思い出の地でもある。
同館前に、不老長寿の実がなることで知られる“むべ”の木が植栽されていることから「むべの木の館」と命名。金曜日の昼下がりにもなると、買い物を終えた利用者が詰め掛け、にぎやかな社交場と化す。
買い物袋を抱えてやって来た八十八歳の女性は「一服できる場所ができて、ありがたい。家で一人でテレビを見ているよりも、ここに来てみんなで話しをするのが楽しい。家の近くまで連れて帰ってもらえるので、荷物が重くなっても安心で助かっている」と語り、他の利用者も「本当に便利」と口をそろえる。
帰りの送迎バスが来るまでの間、常駐の町田絹子さんから温かいお茶のもてなしを受けながら、好物の草もちや巻き寿司、果物などを机に広げ、互いに分け合って昼食を楽しむ利用者たち。むべの木漏れ日に照らされて、利用者の笑顔の花も咲き誇っていた。
むべの木の館の開館日時は、火・水曜日を除く毎日午前九時半から午後五時半まで。お買い物バス利用者のみならず、誰でも立ち寄れる。詳しくは、日野町商工会(0748―52―0515)へ。








