記者座談会
大津市長選は二十二日に投開票され、無所属新人で弁護士の越直美氏(36)=民主、社民、対話の会推薦=が約五万一千七百票を獲得し初当選した。全国の女性市長の中で、兵庫県の稲村和美・尼崎市長(39)を抜いて、史上最年少市長が誕生した。今回の大津市長選を記者座談会で振り返ってみた。【石川政実、高山周治】
民 主 消費大増税に向け大きな自信
自 民 「山下氏なら」と内部対立も
嘉田氏 越広告塔で“維新”も視野に
―嘉田由紀子知事は、大はしゃぎだったね。
A 嘉田知事は「大阪のW選は男性中心(維新の会の橋下徹市長、松井一郎知事)だったが、滋賀は女性中心(越市長、嘉田知事)」と満面笑みを浮かべていた。越氏と二人が広告塔になって全国にW女性首長をアピールし、次期衆院選には「維新の会」との連携もあり得る。また県と大津市との連携会議創設で、市長会の切り崩しも始まるよ。
B 目片信氏(70)は「嘉田知事は中立だと言っていたが、それはあり得ない。次男が応援に立つなど、(嘉田知事による)ムードづくりに負けた」と敗戦の弁を述べたが、確かに巧妙だったよ。比叡平の集まりに両氏が同席したり、「湖城が丘」では嘉田知事が越氏を連れているのを目撃したという情報もあるしね。二月の定例県会や市会では、真相究明もあるね。
―また目片氏は「衆院選に向けて(民主党衆院議員らが)防波堤を構築するための代理戦争であった」と述べているね。
A 川端総務相のおひざ元だけに、民主党にとっては絶対に負けられない選挙だった。事実、告示後だけでも、三回も入った。これは過去にはなかったことだ。また連合滋賀の松元光彦事務局長は「大阪のW選挙の敗北を大津市長選でなんとしても止めたかった」と、関西全体の戦いとして位置付けていたのはさすがだ。
B それに比べると、自民党県連の状況判断は甘すぎるよ。保守系市議の間からも「もし山下英利元参院議員が目片氏に代わって出ていたら、勝てていたのに」と怨嗟(えんさ)の声が聞かれたが、後の祭りだ。
―だけど山下氏が降りた真相は今もわからないね。
B その市議によると、最後は山下氏の母親が「恩義を忘れてはいけない」と引導を渡したという。父の山下元利元防衛庁長官が平成六年に死去した折、その後継を引き受けてくれたのが当時、県議だった目片氏だった。同市議は「だけど、それまでの引きずりおろし方がよくなかった。しこりが残った」と愚痴っていたが、保守系の湖誠会と大志会の仲は深刻だね。
A もし大局観があれば、自民党県連や保守系市議団は目片氏に鈴をつけるべきだった。やはり目片氏は、高齢で健康上の不安があった。告示から二日目に体調を崩し、四日目には桃太郎を取りやめたとのうわさも。政治家は、結局、体力勝負だよ。
―この敗北は自民党の次期衆院選に影響を与えるだろうか。
B 山下氏なら勝てた選挙を落としただけに、次期衆院選はもう全敗だね。
A 「脱原発」を掲げた東昌子氏(49)=共産推薦=は、前回の共産推薦候補の約二倍の二万二千票と大健闘だった。民医連を中心に選挙戦を展開し、共産色をあまり出さなかったのが奏功した。







