湖都の課題を公開討論 まちづくり、財政改革、防災など
◇大津
十五日告示の大津市長選(二十二日投開票)を前に公開討論会が九日、ピアザ淡海(大津市)で開かれ、立候補予定の無所属現職の目片信氏70(自民、公明推薦)、無所属新人で弁護士の越直美氏36(民主、社民、対話の会推薦)、無所属新人で医師の東昌子氏49(共産推薦)の主張に約三百人が耳を傾けた。(以下発言順)
「まちづくり」について越氏は、南北に長い市域を七ブロックに分けて、それぞれ市民参画の「地域経営会議」を発足させ、各地域の課題を解決していきたいとした。
目片氏は、市内の人口増加が県内増加分の四割を占める現状を引き合いに「決して元気のないまちでない」とし、「できるだけ多くの市民にまちづくりに参画してもらい、活気あるまちにしたい」と述べた。
福祉を前面に出す東氏は、お年寄りなど交通弱者が移動しやすいよう、コミュニティーバスの整備、敬老パスの配布のほか、市民が集える児童館や図書館の拡充、整備を主張した。
大津市の玄関口である大津駅前の「にぎわいづくり」では、空き店舗の活用を唱えたのは、越、東の両氏。越氏は空き店舗に若者がカフェなどを起業できるよう支援するとし、東氏は高齢者が集える場所に生かしたいと提案した。
目片氏は、駅西側で進めている西地区再開発と、大津駅から浜大津までの幹線道路整備の相乗効果で、「人が行き来する形をつくりたい」と語った。
「産業振興」の質問では、東氏は中小企業振興条例の制定、住宅リフォームで地元の業者に発注できる登録制度をつくるとして、中小企業の育成に重点をおいた。
越氏も同じスタンスで、人材を求める中小企業と、就職口を求める若者の橋渡しを市が担いたいとした。
一方の目片氏は、市内の主な大企業の雇用減少、海外移転に歯止めをかけつつ、工業団地への企業誘致を進め、「現在、二社の進出が決まっている」と実績を披露した。
中期財政計画で今後五年間、百五十億円の不足が見込まれる「財政の改革」については、越氏は、公営事業の見直しのひとつとして、ガス事業の民営化を打ち出した。「ガス事業は全国九七%が民営。滋賀県でも大津だけが公営なので、検討して洗い直す」と。
目片氏は、市の決算が三十三年間黒字であることを強調。今後、財政改善プログラムに基づき、増加し続ける社会保障費やゴミ焼却場などの更新、維持管理を考慮しながら、「黒字決算を堅持する」と説明した。
東氏は、ガス事業民営化の越氏と対照的に、公営維持を主張。「毎年八―十億円の黒字があるので、内部留保金を有効活用すべき」と訴えた。
「災害に強いまちづくり」では、越氏は原子力発電から新エネルギーへの転換を事業者へ申し入れるとともに、市としても公共施設に新エネルギーを導入するほか、事故発生に備えて避難体制、防護体制、モニタリングを整えるとした。
目片氏は、昨年夏の台風で石山地域が長く、崩落警戒に指定されていたことを受け、市内全域で今後の防災に生かせるマップを作成していることや、災害時の物資調達の応援協定を三十三団体と締結するなど、内外で対応を強化していることを説明した。
東氏は、「速やかに原発から撤退するのが最大の防災」と訴え、「福井県の原発の再稼動をさせない」と宣言し、市の体制としてもモニタリング、食品検査を整えるとした。







