「近代文明の礎―建物編―」刊行 建築物から知る明治文化
◇全県
滋賀報知新聞社は、全国各地に現存し、大切に保存、継承されている明治時代の代表的な西洋館を集大成した本「近代文明の礎―建物編―」を刊行した。
歴史や文化を次代に継承し、その意義を形として現すものは多枝にわたるが、古代人の住居や祭事の建物からはじまり、後に建造されていく大規模な社寺等の建物はその代表格といえる。
日本特有の風土から生み出され、文化的価値の高い建造物が数多く造り出されて来た中で、伝統ある日本の建築史に大きな影響を与えたのは明治時代の西洋館。その設計思想は、文明開化の波動と共に全国に広がり、大正、昭和と引き継がれ、日本の伝統思想と融合した新しい生活文化も生み出し、人々に受け入れられていった。
その新時代を切り開いた建築文化の出発点が、明治の西洋館にある。
国内に建造された西洋館は、外国人居留地の建物、官庁、学校、高級ホテルなどのモニュメンタルなものからはじまった。その多くは外国人技術者によるものか、見様見真似で模した地方の棟梁たちの「擬洋風建築」であった。それは和洋折衷の建築文化を生み、新しい時代に期待する人々の気概溢れる愛すべき建物とも言える。今なお、それぞれの時代を今に伝える文化財として高い価値を誇り、人々の深い関心を集めている。
本には、教会、役所庁舎、学校、住宅、倉庫など全国に散在する貴重な西洋館を都道府県別に分類し、代表的な四十八棟の建物を、建築の経緯、設計と様式、内部構造などを詳しく解説している。
また、全国の著名な西洋館の所在地と現在の用途、後世に名を残す建築家や設計士も一覧で掲載している。
日本の西洋館を代表する旧グラバー邸(長崎県)」や「迎賓館(東京)」、「中之島図書館(大阪)」など口絵に紹介した全国各地の著名な西洋館のカラー写真は、その存在意義を今に伝える資料として高い価値がある。
滋賀県のページでは、「旧長浜駅舎(現鉄道資料)」、「旧八幡東小学校(現白雲館)」、「旧安土巡査駐在所」、「ガリ版伝承館(東近江市)」などや建築家としても知られる「ヴォーリズ物語」が特筆されている。A四版、全二百四十ページ。一冊二万五千円(税込)。購入と問い合わせは、滋賀報知新聞社(TEL23―1111)へ。







