説得力ない? 関西広域連合のメリット
◇全県
府県をまたいで広域事務を担う組織として、滋賀、京都、大阪など二府五県が設立を目指す「関西広域連合」(仮称)について、県は先月三十日に開かれた県議会の地方分権・行財政特別委員会(生田邦夫委員長)で設立に必要な規約案を公表したが、委員の間からは「説明が不十分」といった異論が相次ぎ、今月十五日に再度、特別委を開催することになった。 石川政実
●知事与党にも不安感
同特別委の委員、田中章吾県議(民主党・県民ネットワーク)は「県は関西広域連合に入れば、二十四年度からドクターヘリが共同運航になると強調してきた。その間のつなぎとして、大阪府のドクターヘリを共同で使用させてもらうと説明を受けてきたが、肝心の過疎地である長浜市余呉町などでは使えないという。このように参加した場合のメリットに説得力がなく、いくらうちの会派が知事与党で賛成に回るにしても、県民に申し開きが出来ない」と頭を抱える。
嘉田知事の面子がかかるだけに、関西広域連合への参加を急ぐ県に対し、同特別委では「他府県に飲み込まれて主体性を失う」など慎重論が相次ぎ、今月十五日に再度、特別委を開催する。
●補正で運航費提出
滋賀県は近畿府県で唯一、医師や看護師が搭乗して現場に急行する「ドクターヘリ」の空白県。このため「関西広域連合」に参加すれば、共同で利用できるというのが、県が説得する際の“超目玉”だった。
その前段階として、県は大阪府が基地病院として大阪大医学部付属病院(吹田市)に配備しているドクターヘリを共同利用することを決めた。吹田市からの片道半時間で滋賀県全域がカバーできるとして、来年一月から共同利用を開始する予定で、この九月補正でヘリ運航経費約四百四十五万円を提案する。
●岐阜県との連携を
しかし特別委の委員長で医師でもある生田県議(自民党・真政会)は「ドクターヘリに求められるのは、三十分以内で医療行為が始められることだ。ヘリの時速が二百キロメートルとして、距離にして五十キロ以内がベターだ。吹田市から余呉町までは、直線距離にして百キロメートルを超える。ドクターヘリが時速二百キロで飛んでも、間に合わない。三十分以内に到着できる大津市などの湖南地域は、医療機関が充実しており、ドクターヘリはいらない。必要なのは、余呉町など湖北地域の過疎地だ。 岐阜県は今年、ドクターヘリを導入しており、むしろ余呉町に近い同県と協定を結んで共同利用すべき」と指摘している。







