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鎮守「老蘇の森」を昔の姿に
滋賀報知新聞(ニュース)平成12年9月19日(火)第12397号
(湖東・安土町)
近江八幡市の津田内湖干拓地の再生運動や八日市市の愛知川川辺林の里山活動など、地元住民が身近な自然の荒廃を見直し、蘇生に向けた取り組みが広がっている中で安土町東老蘇でも「老蘇の森」を昔の姿に取り戻す活動が地元の人々によって始まった。
老蘇の森は、天正九(一五八一)年に建立された奥石神社の鎮守の森で、現在の広さは、およそ二万平方メートルあり、平地林では八日市市の川辺林と並んで県内最大級。植林による造林で樹齢四百年を超える杉や桧の大木が林立して奥深い森を形成。うっそうとした大きな森の姿は古くから知られ、神社前を通る中山道の歌枕として多くの歌人に詠まれている。また、民話の中にも登場し、庶民文化の中にも溶け込んだ身近で親しまれている森でもある。
三十年ほど前までは、落ち葉や枯れ枝を集めて束ね、家庭用の燃料として持ち帰る里山の役割を果たし、生き生きした森の生態サイクルが保たれていたが、ガスや石油燃料の普及によりその機能は、ばったり途絶えた。それからは老人会などの清掃奉仕によって、鎮守の森の景観がかろうじて保たれてきた。
近年、台風や落雷により老木の倒木、枯れ葉や枯れ枝の堆積、雑木や雑草の繁茂などで美しい森の姿が薄れ、森の奥に誘う小道の存在も分からなるにつれ、荒廃が急速に進み、現在では神社境内を越えて森に入ることはできなくなっている。
こうした中で、来年十一月に開催される世界湖沼会議の前夜祭に行われる琵琶湖を焚き火で囲むイベントのリハーサルとして今年十一月十日、西の湖を焚き火で囲むプレイベントを計画している湖沼会議市民ネットと東近江水環境自治協議会から、東老蘇まちづくり実行委員会にイベントへの協力要請が寄せられたのを機に、森の中の枯れ枝や倒木、伐採した雑木林や間伐材を薪として提供し、森の蘇生につなげる一石二鳥の再生運動を住民有志で開始させた。
二日に森の奥まで入って柴刈り作業の段取りを話し合い、十五日には、町内の有志にボランティア参加を呼びかけて第一回の清掃活動を行った。午前八時に五十歳から六十歳代を中心に男女二十八人の住民が絵馬殿前に集まり、参道近くを中心に下草刈りや倒木の搬出、雑木の伐採などに汗を流した。集められた枯れ枝などは一束ずつにまとめ、イベント用の薪として一時保管することにした。
今後も同委員会を中心に自主参加を呼びかけ、十一月三日まで計五回の清掃と柴づくりを行うことにしている。次回は九月二十四日午前八時同神社絵馬殿前集合。
うっそうとした森の中には、七塚といわれる未調査の古墳群があるほか、大木に囲まれた小川が流れ、キツネ等の野生動物が生息。また、やぶさめが行われた馬かけ馬場といわれる直線の広場もある。同神社宮司でまちづくり委員会のリーダーでもある杉原養一さん(医師・64歳)は「森の景観を昔のような美しい姿に戻し、古墳塚を巡る散策道等を整備して大人と子供が一緒に自然を楽しめる森に復活させていきたい」と話している。
清掃作業に参加した人々は、ターザンごっこなど森で思いっきり遊んだ子供の頃の思い出話に花を咲かせ、森の恩恵に感謝しながら作業に取り組んでいた。






