高校生が思いぶつける
事業費最大3326億円
“生産の変革”おこす制度へ
ペア7組にプレゼント
滋賀報知新聞(ニュース)平成12年9月8日(金)第12385号
空港建設東近江地域促進協議会
安井町長に早期解決を要請
=会長の中村八日市市長ら訪問=
(湖東・蒲生町)
東近江二市七町で構成している「びわこ空港建設東近江地域促進協議会」を代表して会長の中村功一八日市市長と蒲生郡代表委員の仙波秀三安土町長、神崎郡代表委員の杉田久太郎能登川町長、監事の高村与吉八日市市議会議長の四人が六日、蒲生町役場を訪れ、安井一嗣町長に空港問題に対する日頃の職務に感謝するとともに、早期実現に向けた一層の努力を要請した。
この中で中村市長は、建設に反対している地権者集落、同町綺田に対して環境影響評価調査(環境アセスメント)の最終結論を今月末までと県から求められていることから、空港問題が「大詰めにきている」と見解を示し、さらに「これまで地権者集落に対して努力してもらった経緯について感謝申し上げたい。一日も早く全体の賛同をもらえるよう、よろしくお願いしたい」と、早期解決に期待を寄せた。
これに対し安井町長は、綺田地区が一部移転を含む直下集落であるだけに区内の総意が一本化しにくいことや、同区でも解決に向けて総会を開くなどして努力が図られている現状を説明した。
また、同地区の環境アセス同意の最終結論に関しては、全体的には厳しい状態であるとした上で、「空港に賛成までいかなくても、環境アセスには協力いただきたいと思っている。知事からは区としての総意を聞きたいと言われているが、それ(綺田区の回答)を受けて知事にはそのまま伝える。そして私なりの考えも伝えたい」と今後の見通しを話した。
高校生が思いぶつける
ダメなものは、ダメ!
=南部公民館で同和啓発劇=
(湖東・八日市市)
八日市市立南部公民館がこのほど開いた同和教育ミニ講座で、甲良町長寺の高校生による同和問題啓発劇「ハイスクール」が上演され、演技を通じての部落解放への熱い思いが受講生の心を強く打った。
同講座(全三回)の最終回を飾って上演されたもので、甲良町長寺地域総合センターの事業として同地区の高校生によって取り組まれている「奨学生友の会」男子三人、女子五人のメンバーが、受講生約五十人を前に熱演した。
作品は、友達を自宅に誘った主人公の女子高生が、同和地区であるという理由で約束を断わられたことに端を発し、同和地区の人間であることで悩む親友や、自ら在日朝鮮人三世であることを話してくれた友人との間で交す自分たちの思いの中で、差別や偏見に対してだまっていたり逃げるのではなく、「おかしいことは、おかしい」「駄目なものは、駄目」と言い、差別や偏見に気付いてもらって、少しでも差別をなくすようがんばろうと親友とともに決意を新たにし、自分たちを育ててくれ、差別に負けずにがんばる親や先輩たちと住む地区をほこりに思って生きていこうという姿を描いたもの。
ステージで繰り広げられた高校生の熱演に、受講生から感動の惜しみない拍手が送られた。上演を終えたメンバーは、「みなさん真剣に観てくれてすごくうれしい」「活動を続け、機会があればもっといろんなところでやりたい」とさわやかに語ってくれた。
今回上演された作品は、同センターの山崎由美子さんが地域の子どもたちの体験談を元に六年前につくり、指導を続けてきた作品。友の会の先輩から代々受け継がれ、同地区の小学六年生を対象に毎年実施されている「解放合宿」などでも上演されている。
事業費最大3326億円
新鉄道計画 びわこ京阪奈線
建設事業化可能性調査終える
=想定ルート5案に絞り試算=

(全 県)
びわこ京阪奈線(仮称)鉄道建設期成同盟会(会長・国松善次知事)は、平成七年から進めていた同鉄道の事業化可能性調査の結果をまとめ、先に開いた通常総会に報告した。
鉄道構想の実現に向けた調査では、ルートの想定ほか線路規格、線路構造形式などから、代表的な組み合わせによる事業費、想定輸送需要に基づく収支の試算などを行なっている。
計画区間は、近江鉄道米原駅を起点に信楽高原鉄道を経て、信楽以西に新線を引きJR片町線の乗り入れ駅を終点とする約九十キロ。想定ルートは米原~水口石橋間(一ルート、十九駅)、水口石橋~貴生川間(四ルート、四駅)、貴生川~信楽間(八ルート、六駅)、信楽~京田辺間(四ルート、九駅)に分け、各ルートから計二十七パターンの整備形態を検討した。
調査結果は、想定ルートや整備形態が多岐にまたがるため、その中から全線高架で複線・単線、新線複線・単線、既鉄複線・単線改良などから分類した代表的な五案についてまとめられている。
このうち全線高架のA案(新線・既鉄とも複線)、B案(新線複線・既鉄単線)、C案(新線・既鉄とも単線)に、新線高架と既鉄単線改良を組み合わせたD案(新線複線)とE案(新線単線)を加えた五ケースの整備案について検討を加えた。
全線高架ではトンネル二十七か所、橋梁十八か所を想定し、新線高架(二九・四二キロ)と既鉄改良(平地六二・四キロ)の場合、トンネル二十三か所、橋梁百七十一か所の線路規格と構造形式を組み合わせている。
運行計画は、新車両二十両を配備し米原~八日市三十一往復、八日市~貴生川二十九往復、貴生川~JR奈良線二十八往復、奈良~片町線に五十八往復を走らせ、全線高架で米原~京田辺間を快速で所要時間一時間十六分を想定している。
びわこ京阪奈線の全線を復線高架にするA案が最も望ましいとしながらも、事業費の面から近江鉄道整備、信楽高原鉄道整備、全線単線高架、部分的単線高架の組み合わせによって将来目標(全線復線高架)に向け段階的に整備を行なうとした。
工事費(用地含む)と車両購入費を加えた全体の事業費は、A案が三千三百二十六億円、B案二千四百七十八億円、C案二千四十一億円、D案千三百五十四億円、E案でも九百十七億円と試算している。完成時を想定しJR片町線への相互直通運転も加味した。
収支採算の前提条件となる沿線人口(平成二十二年)を滋賀県側三十四万人、京都府側三十六万人とした上で、通勤通学を含む利用者は、全線高架が九万一千人、既存鉄道単線改良七万四千人に設定している。開業三十年後をめどに黒字に転換する資金調達や返済計画も試算している。
事業化への可能性調査結果を受けて期成同盟会は今後、実現へ既存鉄道の近代化と需要創出などのほか、京都側の京都府南部横断鉄道新線研究会(宇治・城陽・京田辺の三市と宇治田原・井出の二町で構成)との連携強化を図り、全線の地域からなる同盟会の結成にこぎ着けたいとしている。
運輸政策審議会において、今後の鉄道整備基本方針「上下分離方式」が答申され、民間鉄道会社が線路を新・増設する場合、線路や駅などのインフラは第三セクター(公的主体)が公費で建設し、運営を鉄道会社が行なうという鉄道の建設・運営方式への検討の余地も残されている。
これらすべての条件をクリアーした上で、次期運輸政策審議会(十七年ごろ)の答申に向け、同鉄道計画の位置付けを目指すとした。
“生産の変革”おこす制度へ
容器包装リサイクル法の現場ルポ
自治体「事業者の責任果たして」
=循環型社会・現場で苦慮 <上>=
(湖南・甲西町)
家庭排出ごみの約六割、重量で約二~三割を占めている容器包装のリサイクル法完全施行から六ヶ月目に入った。各市町村では、新たに追加された二品目の回収方法を検討しているが、なかなか思うようには進んでいないようだ。県がまとめた平成十六年度までの「第二期滋賀県分別収集促進計画」を見ても未実施の自治体が目立つ。そこで、容リ法のシステムおよび廃棄物行政がどのような問題を抱えているのかを探ってみた。(山田香織)
容器包装リサイクル法は、ごみの大多数を占める容器包装ごみの再商品化を目指す法律で、分別回収を行う「市町村」、リサイクル義務を担う「特定事業者」、分別排出を行う「消費者」が、それぞれの立場で責任を果たすシステムとなっている。具体的には、市町村が収集し、厚生省所管の財団法人容器包装リサイクル協会(東京)登録の指定業者が再生処理を行う構造だ。
しかし、ここで問題に気がつく。一番に費用がかかる回収・保管が市町村負担となっている点だ。三者の役割分担を基本に組み立てられている結果、事業者の責任が軽くなり、廃棄物収集やごみ分別、一時保管施設の建設費等は税金を使った自治体の役割となる。また、リサイクルのみが強調されてリターナブル等の再使用や発生抑制が薄れてしまっている。これらは、リサイクル費が安くなるために、回収が安価になるような“生産の変革”につがらないことを意味している。
■
一方、回収にあたる市町村の現場では、異物の付着したものが再生処理施設から引き取りを拒否された、回収した再生可能品が野積みにされ、他の廃棄物と同様に焼却処分された―などのトラブルが全国で報告されている。
受け取り拒否の主な理由は「容器の異物付着」。異物が付着していない事が再生処理を引き受ける条件とされ、マヨネーズ容器などの油脂類も住民は洗ってから出さなければならない。
現実問題として果たして可能なのだろうか。クリーンタウン推進を行う甲西町には平成九年設立のリサイクルプラザがあり、一般家庭から排出される粗大・不燃ごみの中の有価物を再生利用している。容リ法施行前の従来品が対象だが、回収を終えた清掃車の中を覗いてみた。
工場棟に運び込まれた再生可能品を見ると、キャップやラベルが残ったままのペットボトルが目につく。職員が全てのキャップを取り外し、最終段階の圧縮減容作業まで三日も要した。また、中身が入った未使用のワインやビール、再使用可能なリターナブル瓶までもが混ざっており、いずれも未洗浄のため周囲にはきつい臭気が漂う。
村井忠義所長は「七つの識別マークの内の一つ(ペットボトル)でも洗浄実施は難しい状況。まして惣菜パックやマヨネーズ容器までとなると」と、各地で報告されている問題を懸念する。
住民の協力も必要だが、受取り拒否が平然と行われないためには、各業者のリサイクル実施義務を明確にする運用法の見直しが求められる。
■
今回の容リ法では、缶・ビン等の従来品目に、段ボール製容器包装とその他紙製包装容器、プラスチック製包装容器が加えられた。
滋賀県では、伊香郡衛生プラント組合がプラスチック製包装容器の回収を実施しているほか、栗東町では食品トレーを開始。また、今年十月から守山市も一部地域でのプラスチック容器回収を予定している。
ちなみに、県分別収集促進計画による追加品目の回収市町村は、食品用トレイ十五件、その他プラスチック製容器四件、段ボール十九件、その他の紙製容器四件の予定だが、実際には、六月現在で食品用トレイ十二件、その他プラスチック製容器三件、段ボール十三件、その他の紙製容器〇件にしかならない。
遅れていることについて、県廃棄物対策課は「始まったばかりということもあるが、財政事情が厳しいことに加えて住民への周知に時間がかかるからではないか」と話している。
「この状況に家電リサイクル法(来年四月)がスタートすればどうなるのだろう」ある町職員は不安を漏らす。保管場所の確保や建設費用、収集車の手配等の問題が山積しているなかで、自治体まかせな法施行を行う国との間に深い溝が出来たように感じた。
ペア7組にプレゼント
日本のわざと美『人間国宝の世界』
=県立近代美術館で開催中 =
(湖西・大津市)
県立近代美術館では、九日から企画展『重要無形文化財とそれを支える人々・日本のわざと美=人間国宝の世界=』を開催する。十月十五日まで。
無形文化財とは、演劇や音楽、工芸技術などの技術で歴史上または芸術上価値の高いものをいい、このうち特に重要なものを重要無形文化財に指定。同時に、これらの技術を体得している人を保持者または保持団体に認定しており、俗にいう「人間国宝」は重要無形文化財たる「わざ」の持ち主のことを示している。
同展では、伝統工芸分野の重要無形文化財へ理解を深めてもらおうと文化庁とともに行うもので、県内の人間国宝・志村ふくみ氏(紬織)、森口華弘氏(友禅)、清水卯一氏(鉄釉陶器)の三氏の作品も出品。日本の美に触れるとともに、滋賀の工芸の粋に触れる絶好の機会となる。
館内には、陶芸、染色、漆芸、金工、木竹工、人形、擾鍍(ばちる)、手漉和紙など重要無形文化財保持者に認定されている個人・団体の作品百八十七点と、選定保存技術の関連資料などが展示され、多様な美の世界に触れると共にそれを支える伝統技術を間近で鑑賞できる。
会期は十月十五日までの午前九時半~午後五時(入館は午後四時半まで)、月曜休館。一般八百円、高大生六百円、小中生四円。
関連の催しは次の通り(いずれも参加無料)。
▽講演会「わざと美―人間国宝の世界―」(九月十七日午後一時半~)。
▽製作実演【1】(九月二十三日・二十四日、午前十時~、午後一時~)。
▽製作実演【2】(九月三十日・十月一日、午前十時~、午後一時~)。
▽日曜美術観賞会【展示品解説】(十月八日午後一時半~)。
問い合わせは県立近代美術館(TEL077―543―2111)へ。
なお、滋賀報知新聞社では、この「人間国宝の世界」の招待券をペア七組にプレゼントします。希望者は、官製ハガキに住所、氏名、年齢、電話番号、職業、本紙の感想を明記し、〒520―0051大津市梅林1丁目3-25、滋賀報知新聞社大津本社「人間国宝の世界」係へ。締切りは九月十三日(必着)。





