ミトコンドリア病の荻須良忠さん「難病患者の励みになれば」
【東近江】 指定難病(注1)の「ミトコンドリア病」(注2)と向き合いながら、利用するデイサービス施設のホームページを前職の知識を生かして開設し、日々の更新を管理することで前向きに生きる男性がいる。
男性の名前は、荻須良忠さん(63)=東近江市=。デイサービスセンター・アンサンブル(小脇町)に2年前から利用する。ホームページの開設費用に施設が苦慮していたところ、荻須さんが「経験を生かしてやってみる」と制作を快く引き受け、7月中旬からはじめた。
「ドメインやサーバの取得など難題もあったが楽しかった」と試行錯誤しながら、7月26日に開設することができた。
「ささいな出来事でも情報発信になる」と、同施設自慢の昼ご飯や、お茶会などの時々のイベントを写真と文章で日々更新し、さらにお金をかけずに維持管理できるよう工夫した。
荻須さんがミトコンドリア病を発症したのは1994年、33歳の時。勤務先の健康診断でわかった。が、診断された病名は、血糖値の急上昇から糖尿病。当時、研究は進んでおらず、きちんと診断される状況でなかった。
人がのしかかってくるような倦怠感。職場でがまんして勤務を続けたが、つらそうにしていると「仕事をさぼっている」と偏見の目で見られ、悔しい思いをしたこともあった。
2013年には視力が急激に衰え、自動車運転免許を更新できず退職。自宅で過ごすようになった。病気の影響で、今は目がほとんど見えず、2年前には右足を切断した。
デイサービスセンター・アンサンブルに通所するようになったのは2022年からで、「手作りの昼食が安心できる」と顔をほころばせる。
荻須さんは、「利用者自身で情報発信していることが、私と同じように難病や障害のある人の励みになればうれしい」と話していた。
(注1)指定難病=発病原因が不明、▽治療方法が確立されていない、▽長期療養が必要―などと定義され、「指定難病」(345疾病)の患者は県内で1万人以上とされる。
(注2)ミトコンドリア病=厚労省のホームページによると、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアが働きにくくなることで発病する病気で、脳の神経細胞や心臓、筋肉の細胞など様々な病気を引き起こす。根本的な治療は見つかっていない。







