完全植物由来で環境にやさしく奥歯の奥まで磨ける使いやすさも
【東近江】 東近江市八日市東本町の株式会社N&Sは、琵琶湖のヨシを使った完全植物由来の歯ブラシ「美WAKO(びわこ)」の販売を始めた。同社の代表取締役を務めるのは、現役歯科医の井田冴香さん(32)。ヨシを利用することでヨシ群落の保全に貢献するとともに、歯の磨きやすさにこだわった。
柄の部分はトウモロコシ樹脂とヨシ含有ペレットを金型に入れて成型し、毛の部分はヒマシ樹脂(植物性樹脂)、パッケージはヨシ紙を使い素朴さと優しさを感じさせるデザイン。
同製品は、歯科医としてのこだわりで、奥歯の奥まで届くコンパクトヘッド、持ち手はペングリップ持ちで歯と歯ぐきの間に45度で当たるように設計した。
ヨシは毎年刈り取らないと新たなヨシが育たないため、冬に刈り取り作業が行われる。昔はヨシ葺き屋根やヨシすだれに活用されていたが、近年は需要が減少。ヨシを利活用した歯ブラシで環境保全に貢献でき、さらにプラスチック製と違い廃棄の際に有害物質が出ない。
「お薦めの歯ブラシはどんな歯ブラシですか」。4年前のこんな問い合わせから始まった歯ブラシづくり。井田さんにとって治療の見識はあっても、歯ブラシづくりは未知の分野。大手メーカーに問い合わせるなどして一から勉強した。
あわせて重視したのは、小学生の頃のヨシ刈り体験に根差した環境への思い。商品化をめざして、ヨシを原材料にした紙製品を製造販売するコクヨ工業滋賀や、三重県に工場をもつ歯ブラシ製造会社と連携した。
2022年には、研究開発に専念するため株式会社N&Sを、母親で歯科医の直子さんと設立。資金面では、県の補助とクラウドファンディングで集めた。
価格は1本1650円。品質保持期限2年。5千本製造した。販売はオンラインサイト「美WAKO」のほか、県内外10の歯科医院で販売しており、今後も拡大したいとしている。
井田さんは「歯科医として歯を大切にしてほしい願いとともに、ヨシを原料にした歯ブラシを使うことで琵琶湖を始めとする自然環境を守り、未来へつなげる思いを高めてほしい」と話している。








