東近江医師会の小杉会長に聞く
【東近江】 東近江市は4月から、近年増加して社会問題となっている帯状疱疹(ほうしん)について、50歳以上を対象に予防接種費用の助成をはじめた。80歳までに3人に1人が発症する身近な病気で、重症化すると大変な痛みを伴い後遺症が残ることもある。そこで原因や予防接種について東近江医師会の小杉厚会長に聞いた。文中敬称略。
東近江市が4月から助成スタート
近年発症急増、全ての人にリスク
――帯状疱疹の原因は。なぜ増加傾向か。
小杉 子どもの頃に取り込んだ水ぼうそうのウイルスが神経節に潜み、ストレスや過労、加齢などで免疫力が弱っていると、再び活性化して帯状疱疹を発症し、ピリピリした痛みが現れ、皮膚上に赤い発疹が出てくる。
やっかいなのは治療が手遅れになると、神経痛の後遺症が残ることもある。痛いだけでなく、顔面に出ると目や口が閉じにくいなどの後遺症が残る。
増加傾向にあるのは、国内の大規模研究で明らかになっており、ここ20年間で発症者が1・6倍にも増えている。
発症する年代は50歳から急増し、60代~70代がピークとなる。ところが、近年は若い世代でもかかることがある。これは2014年に水ぼうそうのワクチンが定期接種になったことが原因。それまで親世代が子どもを介して水ぼうそうのウイルスを吸い込み、免疫がウイルスと戦うことで機能を強化し、集団免疫を獲得していた。しかし、水ぼうそうにかかる子どもが減り、免疫強化する機会がなくなった。
――帯状疱疹にかかりやすい人は。
小杉 抗がん剤の治療を受けている人、免疫抑制剤で治療している関節リウマチの人、糖尿病の患者さんなどはとくに気をつけてほしい。
――帯状疱疹に一度かかると再発は。
小杉 ウイルスは神経節に潜んでいるので、一度かかったからといって一生大丈夫とはいえない。
――免疫を高める方法としてワクチンがある。東近江医師会の要望で実現した助成だが、ワクチンは「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類がある。
小杉 生ワクチンは水ぼうそうと同じウイルスを弱毒化したもの。5年後の抑制率は50%。
不活化ワクチンはウイルスの一部のタンパクを精製し、これをワクチンとして使っている。5年後の抑制率は90%となっており効果は優れている。ただし、発熱や頭痛、注射部位の痛みや腫れといった副反応がでることがある。
全ての人に発症のリスクがある。病気を予防する効果があるので、ワクチンは打った方がよい。(高山周治)







