彦根市の杉原正樹さんが「淡海妖怪拾遺」出版
【全県】 彦根市の編集者・杉原正樹さんがこのほど、同市を中心に県に関する書籍や文献、映画、祭事伝承などから浮かび上がってくる“淡海(おうみ)の妖怪”について、長年のフィールドワークを重ねてきた成果をまとめた書籍「淡海妖怪拾遺」(サンライズ出版)を出版した。
「放っておいたら忘れられてしまうかもしれないものが大切なのでは」と述べる杉原さんは、県内の妖怪についての調査を始めてから30年になるという。「昔から地域に伝わってきたものを今、拾遺(コレクション)しないと誰にも語られなくなってしまうではないかと考えたのがきっかけ」と語る。
同書には、江戸時代に語られていた「十二月八日の彦根城下町に現れる一つ目小僧」、明治時代の新聞に掲載された「長浜の門前市で売買された河童の皿」、古代から今も受け継がれている神事に欠かせない「多賀大社の先食烏(せんじきがらす)」、現在もっとも県内でアクティブな妖怪かもしれない「東近江市のガオさん」など、県内古今東西の妖怪にまつわる59の話題が、関連する写真や連藤久見子さんのイラストとともに収録されている。
今月17日、アル・プラザ彦根(彦根市大東町)で出版社による杉原さんの書籍出版記念講演「淡海妖怪拾遺の夜話」が開かれ、来場した約30人が不思議で奇妙で身近な淡海の妖怪たちの話に聞き入っていた。
同書のあとがきには「淡海の妖怪拾遺を続けることで歴史の重なりを理解できるのではないかと考えている」と記されている。杉原さんは「好きな章から読んでもらっても大丈夫。本を手に取ってくれた人が地域のいろんなことを見つけるきっかけになれば」と語る。
同書はサンライズ出版が手がける淡海文庫シリーズの71番目。1冊1650円。県内の主な書店やインターネット書店などで販売中。








