公共交通や国スポ・障スポへの思い
【全県】 コロナ禍を経て大きな動きを取り戻しつつある滋賀県。受け継いできたものを次の世代へつなぐこと、時代に応じて変化を求められることなど、多様なテーマへの政策に関心が高まっている。三日月大造知事に今年の県政への思いを聞いた。(羽原仁志)
2023年を振り返って
―新型コロナウイルス感染症の取り扱いが変わり、県はどうなりましたか。
三日月 コロナ禍は県民の心の持ちようや生活を大きく変えた。り患後症状や、人と人のつながりの問題、経済・社会に対するダメージをどう克服していくのか、また、一気に進んだ物事をいかに定着させていくのかという課題への対応は今も直面している。一方、国際交流が再始動した年でもあった。米国ミシガン州、中国湖南省との対面での相互交流再開やベトナム、オーストリア、バチカン市国など、新たなつながりの機会も増えた。「世界に開かれ、世界とつながり、世界から選ばれる滋賀」の取り組みが出来たのではないか。
―意を配った施策・政策は何ですか。
三日月 議会や会見などで昨年一番問われたのは「子ども・子ども・子ども」に関してだった。医療費助成の拡充や市町の子ども政策への応援の検討、不登校の状態にある子どもやその世帯に対する支援・寄り添いのため「しがの学びと居場所の保障プラン」を今作成しているなど、このテーマに一番注力して取り組んだと思う。
どうなる滋賀の公共交通
―今年3月策定を目指す2040年代を見据えた「滋賀地域交通ビジョン」にどんな姿を描きたいですか。
三日月 今より楽しい日々の暮らし、マイカー以外の選択肢、公共交通を利用する時間・空間のにぎわい、人と人のつながりなどが感じられるビジョンになれば。とはいえ、人口減少やコロナ禍での公共交通見直しなど状況は厳しい。今年はそれらを克服する知恵や連帯をいかに作っていけるのかが重要な年になる。ビジョンを作り、実現のための財源、その財源の負担分担をするための方法、たとえば交通税というものがあればどういう世の中になるのか、具体的に提示し始める。県が大まかなビジョンを示すことで市町や事業者、利用者がどのように関わっていけるか、議論する素材になれば。
―今年から上下分離となる近江鉄道はどうあってほしいですか。
三日月 今年、近江鉄道は公民連携で作り動かす持続可能な公共交通のモデルとして新たに示していく節目となる。安全第一で沿線地域にとって楽しくて頼りになる近江鉄道を作っていけたら。
―近江鉄道活性化へはどんなアイデアがありますか?
三日月 近江鉄道にはJR在来線や東海道新幹線と接続している駅がある。たとえば、同じICカードで乗車できるようにしたり、ダイヤを見直すなど、公共交通同士のネットワーク機能をより高めることも検討の余地があると思う。また、鉄道は沿線の活性化に欠かせない。市町とも協力しながらまちづくりの中で鉄道を位置づけてより良くしていく。新たな姿でもあかねさす地域を走る鉄道としての良さは残っていくはずだ。
国スポ・障スポまでおよそ630日
―県内の機運はどう感じますか
三日月 昨年は野球、ラグビー、バスケットボールなどの世界大会や国内プロスポーツでの関西勢の活躍、県内でもびわ湖マラソンや全国中学校駅伝の開催など、スポーツの力を大いに感じた一年でもあった。スポーツを見る、する、支えるという無限大の可能性を感じるビッグイベントとして、いよいよ来年2025年には「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」を開催する。だんだん機運も盛り上がってきた。今年は競技別リハーサル大会も開催される。大会を成功させることはもちろん、大会を通じて感動を共有し、その後の健康づくりにつなげていくきっかけにしたい。
―どんな特色が期待されますか
三日月 デモンストレーションスポーツとして百人一首競技かるたや彦根スーパーカロムなどを実施予定で、滋賀らしいと思う。陸上の桐生祥秀選手、水泳の大橋悠依選手や木村敬一選手らのふるさととしての滋賀県など、全国からの関心も高いと思う。みんなで盛り上げていける仕掛けをしていきたい。
今年の抱負は
三日月 今年は十干十二支では甲辰(きのえ・たつ)となる。甲はいちばん最初。辰は龍。物事が始まり、勢いよくぐっと伸びていく年だそうだ。近江鉄道や公共交通、子ども政策、その他いろいろと始める政策がしっかりと伸びていき、翌年の国スポ・障スポや大阪・関西万博につながっていくような年になれば。また、龍は水神でもある。琵琶湖を預かっている滋賀県としては、水の恵み、災い、つながりに目を向けた発信をしていきたい。さらに、琵琶湖や自然に関して生物多様性戦略を作って具体的に動かしていく。琵琶湖版SDGsのMLGs(マザーレイクゴールズ)への関心を高め、多くの皆さんが感じ、取り組んでもらえる年にしたい。









