上下分離方式に移行する近江鉄道線
【全県】 近江鉄道線について、県と沿線10市町が鉄道施設を保有し、民間事業者(近江鉄道)が運行する公有民営方式(上下分離)の移行を来年4月に控え、必要な経費や支援内容を定める鉄道事業再構築実施計画案が、先月24日の近江鉄道法定協(県と沿線市町などで構成)で了承された。この中で鉄道施設を保有・管理する近江鉄道線管理機構が10年間で必要な事業経費の自治体負担116億円=表参照=が示された。計画の国交大臣認定は年内をめざしている。
計画期間は、2024年4月~34年3月末の10年間。事業経費の総額約158億円のうち、国補助金を約42億円と想定し、県と沿線自治体の負担額は約116億円と見込んだ。
負担の内訳は、従来からの(1)設備投資・修繕費のほか、鉄道事業の上下分離方式に伴って新たに発生する(2)鉄道施設の保守管理費と(3)鉄道施設を保有する機構運営費。
具体的には、(1)設備投資・修繕費約73億7000万円、(2)鉄道施設の保守管理費約25億1000万円、(3)鉄道施設を保有する機構運営費17億3000万円。
ちなみに、沿線自治体が負担する設備投資・修繕費だけでみると2022~23年度は年間6億4000万円だったが、24年度以降は資材高騰に伴い7億3700万円に増額。それでも国補助により約15%増で抑制できたという。これに新たに発生する保守管理費と機構運営費を含むと、年間で11億6100万円となる。
これについて出席した市町長からは、「公共事業1・5倍の時代。実際に利用していない市民への説明を、覚悟をもって臨まないといけない」(和田彦根市長)、「議論しないといけない点もあり、様々な課題もあるが、前に進めないといけない。引き続きいろんな場面で協議してゆけばよい」(小西近江八幡市長)と述べた。
また、利用者の利便を確保する事項では、▽日中時間帯に1時間に最低2本の運行、▽JR・二次交通(バス、タクシーなど)との接続改善、▽通学定期の運賃値下げの調査研究、基本運賃の値下げの検討―などを列挙した。これらに要する費用は、自治体の新たな負担になるか、近江鉄道線事業の黒字部分で担うか、中身と費用で検討する。
法定協会長の三日月大造知事は、「公共交通を維持するため必要なもの。当初よりも費用が上がっていることは、丁寧な説明を積み重ねてゆく」とした。








