重大な人権侵害の疑いを明らかに
【県】 県内私立中学校で発生した「いじめ防止推進法に規定される重大事態」について調査するため、このほど県が2014年から常設している滋賀県いじめ再調査委員会初の調査が始まった。
同法では、いじめにより在籍児童などの生命、心身、財産に重大な被害が生じた疑いがある、または、いじめにより相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認める場合を「重大事態」とし、当該学校は事実関係の調査を行う(第28条)とともに、「重大事態」が発生した旨を所轄する都道府県知事に報告しなければならない(第31条)と定めている。
県によると、21年度に県内私立中学校から「不登校重大事態」の発生が知事に報告され、当該学校主体の調査が始まったが、現在に至るまで十分な進捗が見られないことや保護者から県へ要望があったことを踏まえ、県が同法に基づいて規定している「滋賀県いじめ防止基本方針」にのっとった再調査などについて三日月大造知事が同委に諮問した。県はプライバシー保護の観点や保護者からの意向を踏まえ、個人の特定につながる可能性のある当該学校名や所在地などは公表していない。
同委は、立命館大学大学院の春日井敏之教授(臨床心理学)を委員長に、弁護士、臨床心理士、医師(精神科)、社会福祉士の5人が委員を務める。春日井委員長によると、学校主体の調査と並行で都道府県による再調査が行われるのは「全国的にも異例」。
1回目の同委では、三日月知事が▽「重大事態」に係る当該生徒へのいじめの事実関係の調査▽当該「重大事態」に対する学校と学校法人の対応、ならびに報告後の県の対応の調査▽同種の事態の発生の防止などに資するための提言――の3点を求める諮問が県総務部を通じて委員らに提出され、今後の委員会の対応について非公開で協議された。
協議後、記者団の取材に応じた春日井委員長は「知事から諮問が行われたこと自体を重く受け止めている」とし「事実の前に誠実に、訴えている人の気持ちに応えていきたい」と語った。
今後、同委では当該生徒や保護者、学校、関係者から話を聞き、来年3月を目途に報告書を作成する。
三日月知事は「いじめは重大な人権侵害だ」と述べ、「県で『重大事態』が発生したことは極めて残念。委員会からこれからにつながる提言を期待している」と述べている。







