子どもたちが県へ誇りを持つきっかけに
【全県】 滋賀県人会内組織「ふる里滋賀県人会」(蔭山孝夫会長)、歴史愛好家らで作るグループ「びわ湖巡り研究会」(泰間祥行代表)、「ふるさと滋賀愛郷会」(中西光昭代表)の3団体が共同で作成した小冊子「近江を制する者は天下を制する―いざ出陣―」を今年、県内全域の中学校に配布した。
2019年、民間調査会社による全国都道府県魅力度ランキングで滋賀県が低迷していることに懸念を抱いた3団体では、「来県される人に日本の歴史に大きく関わってきた滋賀について知ってもらうことで滋賀のブランド向上につなげるとともに、滋賀で生まれ育った子供たちにふる里への誇りを持てる郷土教育につながる取り組みをしたい」と連携し、簡潔でわかりやすい歴史視点の同小冊子を作成した。
当初は、道の駅やホテルといった観光関係施設で配布していたが、滋賀県にゆかりの深い戦国武将や江戸時代の大名、歴史上の偉人などをわかりやすく多面的な視点からまとめた内容が好評を博し、県内の教育関係者らから「子どもたちの地元の歴史教育にも活用したい」と希望があったことで、歴史についての学習が始まる中学2年生に向けた配布も開始した。
同小冊子は毎年の発行に合わせ、大河ドラマなどで注目を集める歴史上の人物などについて加筆修正を加えて版を重ね、現在第5版となっている。
同小冊子を希望する中学校は年々数を増やし、20年には2校、21年には9校に配布。22年には県内の支援企業や各教育委員会などの協力も得て1万2000部を発行。県内の中学2年生の49%に当たる6500人、県下106中学校のうち52校に配布した。それぞれの学校では歴史の授業中の資料などとして活用されている。
今年は新たに2万5000部を発行。希望しない学校以外は県内全域の中学校への配布を達成した。
このほど、3団体の代表者らが県庁で三日月大造知事を表敬訪問し、取り組みについて報告した。
話を聞いた三日月知事は「私たちが誇るべき歴史を手に取りやすい冊子で作ってもらえるのは有りがたいし、大変心強い」と述べ、「25年には国スポの開催などで来県される人が多くなる。その際にも県のPRグッズとして活用できれば」と提案していた。
「ふるさと滋賀県人会」の蔭山会長は「歴史に関心のない子どもが、この冊子から少しでも滋賀の歴史に興味を持ち、県に誇りを持ってもらうきっかけになれば」と述べた。
3団体では、来年度の配布に向け準備を始めている。来年はNHK大河ドラマで源氏物語が取り上げられることから、作者の紫式部や同時代に絶大な影響力を発揮し、近江にも関わりの深かった貴族の藤原氏についてもピックアップした第6版を作成する予定としている。







