カラフルでパワフルな日常の喜び
【大津】 県立美術館(大津市瀬田南大萱町)では9月4日まで企画展「搭本シスコ展 シスコ・パラダイス―かかずにはいられない!人生絵日記」を開催している。
塔本シスコ(1913―2005)は、熊本県出身の女性画家。50歳を過ぎてから本格的に絵を描き始め、日常の喜びを自由な想像力と鮮やかな色彩で生き生きと描いた。画面いっぱいにカラフルかつパワフルな独特のタッチで描かれた作品にはファンも多い。また、初の大規模個展を1994年当時の滋賀県八日市文化芸術会館(現・東近江市立八日市文化芸術会館)で開催するなど、滋賀県との関わりも深い。
同企画展は、これまで広く紹介される機会の少なかったシスコ作品を約230点展示する過去最大規模の回顧展で、世田谷美術館(東京都)、熊本市現代美術館(熊本県)、岐阜県美術館(岐阜県)での巡回を経て、最後に県立美術館で実施されている。また、県では他の会場では出品されなかった作品5点が追加出品されている。
このほど、同美術館でメディア向け内覧会が行われ、展示を担当した三宅敦大学芸員が報道陣に展示を紹介した。
展示は▽第1章「私も大きな絵ば描きたかった―パラダイスへの第一歩」▽第2章「どがんねぇ、よかでしょうが―熊本から大阪へ」▽第3章「ムツゴロウが潮に乗って跳んでさるく―ふるさとの思い出日記」▽第4章「私にはこがん見えるったい―あふれるシスコ・パラダイス」▽第5章「また新しかキャンバスを持って来てはいよ―とまらないシスコ・ワールド」▽第6章「私は死ぬるまで絵ば描きましょうたい―シスコの月」▽第7章「シスコは絵をかく事シかデキナイのデ困つたものです―かかずにはいられない!」―の7章立てで構成。同館第3展示室の空間を機能的に用い、「この角を曲がったらどんな作品があるか、来場者にもシスコさんの世界を楽しんでもらえるように工夫した」と三宅さんは語る。また同展では絵画作品だけでなく、陶人形や日本人形、着物、スケッチなど多様なシスコ作品も一緒に紹介している。
同美術館の保坂健二朗ディレクター(館長)は「アール・ブリュット(注)とも素朴派とも分類されるが、その枠で定められないシスコさんの持つ画力を多くの人に見てもらいたい」と期待している。
さらに、7月30日と8月27日には学芸員によるギャラリートーク、7月24日と8月6日にはワークショップ、8月7日と28日には記念講演会を予定している。
同企画展の観覧料は一般1200円、高大生800円、小中生600円。
同美術館の開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。休館日は月曜日(7月18日は開館)と7月19日。問い合わせは同館(TEL077―543―2111)へ。
(注)アール・ブリュットとは広義に「正規の美術教育を受けていない人による芸術」のこと。同館では収集に力を入れている。






