第31回優良経営食料品小売店等表彰最優秀賞の「魚富商店」
【大津】 大津市本堅田1で湖魚の佃煮製造小売業を営む「魚富商店」がこのほど、公益財団法人食品等流通合理化促進機構(東京都千代田区、村上秀徳会長)が主催する「第31回優良経営食料品小売店等表彰」(農林水産省、日本政策金融公庫など後援)で最優秀賞となる農林水産大臣賞を受賞した。
同表彰は、独創的な経営技術を駆使し、優れた経営成績を上げている全国の中小食料品小売店などを発掘して表彰することを目的に、同法人が毎年開催している。
「魚富商店」は近江八景の一つとして知られる浮御堂の門前で1930年に創業した。現代表の竹端尚さん(50)で4代目になる。代々、昔ながらの風情を残す湖魚の店として地域から親しまれてきたが、少子高齢化が進む現代で消費者が減少することを見据えた竹端さんは「小規模事業者として長く経営していくために、年配の人向けというイメージが強い佃煮を幅広い世代に手に取ってもらうことが大事」と考え、「そのためにはまず浮御堂へ観光に来た人が“一見さん”として立ち寄ってくれるよう、店舗を明るくし、どんな季節の味覚があるのか外からでも分かるように改装しよう」と思い立った。
地元商工会や同公庫にも相談し、国の小規模事業者持続化補助金を活用して2021年、入り口をガラス張りにして中まで見通せるようにし、木製の陳列棚に商品を並べた。さらに、地元の成安造形大学の学生だったイラストレーターと協力して佃煮を紹介するイラスト入りのカタログを作成、のれんも別のイラストレーターと組んで新しいデザインに刷新した。また、小分けパックもメニュー別にカラフルにして客が手に取りやすく工夫し、動画サイトに佃煮の製造過程を魚種別に掲載するなど「面白そうだと思ったことはまず挑戦してみた」と竹端さんは語る。
改装後、店に立ち寄る観光客が次第に増えた。さらに、郵送で購入を希望するリピーターも増え、今では全国から琵琶湖ならではの味覚を求めて注文が入る。
今回、これまでの取り組みが評価され、同表彰で最優秀賞受賞となった。
「夢は全国の人に琵琶湖には一年中を通しておいしいものがあることを知ってもらうこと」と語る竹端さん。受賞について「驚いたが、コツコツとやってきたことが認められてよかった。これからも地域の魅力を多くの人に手に取ってもらえるように頑張っていきたい」と意気込んでいる。







