感染動向と県の対策の差異
【県】 県はこれまでの波の経験を生かし、新型コロナウイルス感染症第6波の対応にあたっている。しかし、早ければ2月上旬と予測していた感染拡大のピークも高止まりしたまま3月を迎え、連日、700人以上の新規陽性者が報告された。現在開会中の県議会2月定例会議では、県が当初想定していた第6波の特徴と対応への差異を指摘する質問が複数の議員から相次いだ。(羽原仁志)
県議会で県の感染症対策へ指摘相次ぐ
現在の重症度分類は第6波の患者像にそぐわない?
2月県会代表質問で川島隆二県議(自民党県議団)から第6波の医療提供体制について問われた三日月大造知事は「中等症・重症患者数の増加に備えた入院体制の維持や自宅療養者への治療体制等の整備の観点から対応を進めてきた」と答えた。
確かに重症者用病床は余裕を保ったが、一方、自宅療養中に急変して亡くなった事例もあった。
同県会個人質問で九里学県議(チームしが県議団)から重症度分類についての所見を問われた健康医療福祉部の市川忠稔部長は「全国的に運用されている第1波の際に作成された重症度分類は、第6波の患者像を正確に反映したものではないことは承知している」と答え、現行の分類のみでは不十分である認識を示した。
また、第6波の特徴として、10歳代までの子どもへの感染が爆発的に広がり、連日、クラスター(感染者集団)が保育施設や学校で発生、休業や学年・学級閉鎖が続いた。
県では、1人でも陽性患者が確認されると、同じクラスやフロア単位で検査を受けられるイベントベースサーベイランス検査を実施しているが、黄野瀬明子県議(共産党県議団)から保育施設や学校での実施が少ない点について指摘された福永忠克教育長は「当初保健所の調査を希望する声が多かったことが要因」と述べた。また市川部長は「今後、機会をとらえて、改めて制度を有効に活用してもらえるよう対応していきたい」と語った。
さらに、県の「もしサポ滋賀」について田中松太郎県議(チームしが県議団)から運用状況の少なさを問われた知事公室の東勝公室長は「一施設・イベントあたりの読み込み回数は、平均11回」であり、20年6月の運用開始から「これまでSNSでのメッセージ発信は2回だった」とし、原因として「県民への周知不足」や「店舗などでの声かけが不十分」などの声があり、「各種支援策の周知を行うことを検討していきたい」と答えた。
県は来年度当初予算案に新型コロナウイルス感染症対策分として790億8720万円を今県会に提出している。医療提供体制の充実・確保や感染拡大防止対策、相談体制の確保、学びの機会の確保、経済・雇用・生活支援などに力を入れるとしているが、第6波の経験を早く的確に総括し、次に生かさなければならない。(連載終わり)







