歌あり、会話あり 外出のきっかけ、仲間の輪
【東近江】 日本が世界一の長寿社会へと進み、フレイル予防の重要性が指摘される中、元気シニアが集うスポットが東近江市の住宅地にあると聞いた。聖和町の「カラオケハウス この街で」だ。元気の秘訣を学ぼうと、本紙記者(52)が昼下がりのカラオケ喫茶を訪ねた。(高山周治)
店内(11席)には、営業開始から間もないのに、すでに満員のお客さんで静かな熱気に包まれていた。営業は週6日午後1時~6時、1曲100円。
自慢ののどを披露する人がいれば、じっくり聞き入る人も。歌う前に「イェーイ」と最高のノリで盛り上げる人もいれば、童謡をしんみり歌い上げる人もいる。
カウンター席の正面には「歌唱中は、しっかり聞いてあげましょう」のはり紙があり、歌唱者は歌い終わると拍手に包まれ、笑みを浮かべていた。
店主の高田満(みつる)さん(67)は、高齢者が気楽に集える居場所をつくろうと、2012年に同店を開業した。
以前は市外で飲食業をしていたが、介護していた母親を看取ったのち、理髪店の空き店舗を改装して現在のカラオケ喫茶を始めた。母親の介護経験から、「歌わなくてもいい。高齢者は人と話すのが一番の健康法」と話す。
常連客の最高齢は93歳で、「歌う人は声を出すのでのどが鍛えられて元気。店内ではコミュニケーションもあるので、脳の活性化にもなる」と話す。
店内では実際、スマホの使い方の教え合いなど様々な会話が飛び交う。「見て、見て」と、男性が差し出したスマホをのぞくと、自宅の庭の残雪が動物の顔に見える写真だった。
高田さんは「日常のちょっとした気づきがあり、そこから楽しみや、生きる喜びを感じている」とも話す。
常連客の男性(83)は「公(おおやけ)のサロンもあるが、開催日が限られており、ここならいつでも自分の好きなときに行ける」と笑顔で語った。
東近江市によると、同市の2026年度の高齢化率は28%で、団塊ジュニアが高齢者になる40年には32・5%まで増加し、超高齢化社会のピークを迎える。市はフレイル予防として「栄養」「身体活動「社会参加」の3本柱を呼びかけている。








