甲賀市内の2介護事業所が県内初の推奨決定
【全県】 県社会福祉協議会(草津市笠山7)はこのほど県内で初の「抱え上げない介護推進事業所」として甲賀市立介護老人保健施設「ケアセンターささゆり」(甲賀市水口町貴生川)とJAゆうハート「水口ヘルパーステーション」(同市水口町新城)の2介護事業所の推奨を決定した。
介護や福祉、医療の現場では、入浴や移乗などのケアを受ける人を職員が抱え上げたり支えたりする機会が多くあり、職員の身体的負担の軽減が重大な課題の一つとなっている。実際、同社協とびわこリハビリテーション専門職大学(東近江市北坂町)が2020年度に実施した合同調査では、特別養護老人ホーム・障害者入所施設の職員の71・5%に腰痛があることがわかった。
国でも腰痛の予防対策として「人力での抱え上げは、原則行わせない。リフトなどの福祉機器の活用を促す」ように指示しているが、組織としては従来の抱え上げるやり方を維持している施設が大半を占めている。
介護人材の定着・確保を推進している同社協では、「これから福祉職種への就職を希望する人のためにも、将来腰痛になるかもしれないという不安を取り除かねばならない」と2019年度から「抱え上げない介護推進事業」として、組織全体で体制を作るための研修の実施や取り組みが定着した事業所の推奨などに取り組んできた。
このたび、同社協の設けた入門、実践、定着の3つの研修を終えた2人以上の職員が在籍し、ノウハウを職場で共有しながら1年が経過した2介護事業所が推奨を受ける。
県庁で記者会見を開き、取り組みを紹介した「ケアセンターささゆり」の山口路子さんは「従来のやり方は力技で早さはあるが、負担が大きかった。『抱え上げない介護』では時間は少しかかるが、そのぶん丁寧に介護と向き合えるようになった」とし、「水口ヘルパーステーション」の工藤さとみさんは「これまでは利用者さんにも負担をかけていた。この取り組みで利用者さんも職員もお互いに気持ちが前向きになれた」と述べる。
同社協では6日午前11時5分~、イオンモール草津(草津市新浜町)で開催される県主催の「しがけあフェスタ」内のステージイベントで推奨証交付式を実施するほか取り組みを紹介するブース出展も予定している。同社協の谷佳代さんは「ケアをする人、受ける人、双方に負担の少ない方法として、取り組みを広く知ってもらえれば」と述べている。








